- Blog記事一覧 -下痢が起こるわけ
消化管で分泌される液は、唾液が1.5L、胃液が3L、胆汁と膵液とで1.5L、腸液が2.4L程で、総量は1日当り約8Lにも及びます。
口から入った食べ物は十二指籐で管内済化の最終段階を迎え、消化液漬けのお粥の様な状態で、小腸の絨毛の表面にある微絨毛にたどり着きます。
しかし、その時点では栄養物は中間分解産物でしか無く吸収出来無いのですが、それは腸内細菌に栄養をかすめ取られる事を防ぐ為です。
そこで微絨毛の膜面から終末消化酵素(腸液)が出て、栄養物は体内に取り入られるのです。
それに伴って水分も吸収されます。水分の8割程は小腸で吸収され、大腸へは1日に1、5~2L程が運ぱれます。
小腸も大腸も水分の吸収の大部分は浸透圧によりますので、小腸で高い浸透圧のある内容物があると大腸の水分量は増えます。
大腸の水分再吸収能力は1日4~5Lですから、それを超えると下痢になります。
牛乳等の乳糖の不完全消化によって浸透圧が高まる事で起こる下痢を浸透圧性下痢と呼んでいます。
また、コレラの毒素等の様に小腸液の分泌量が亢進する分泌性下痢もあります。これ以外に小腸や大腸の炎症等で水分吸収できる面積の低下でも下痢になります。