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うつ病 - Part 2の記事一覧
うつ病のには、抗うつ薬が主流ですが、投薬以外では精神療法がいくつかあります。
中でもうつ病には「認知療法」が知られています。この認知療法は米国のアーロン・ベックが考えたやり方です。
うつ病は感情障害であり、絶望感や悲哀感が心を満たしています。
そこで、この様な心模様になってしまう考え方を変えれば、憂うつな気分や不安感は和らぐという考えに基づいた精神療法が考えだされたのです。
つまりベックは状況より、それを主観的にどのように認知しているかが、感情に大きく影響を与えることに注目して、うつになった時の認知の片寄りを修正して、感情をコントロールしょうとしたのです。
その中で、うつ病の患者は自己、世界、未来の3つの領域について、極端で独特の悲観的な考え方に支配されていて、これを「否定的認知の三特徴」と呼んでいます。
その独特の歪んだ認知を構成しているいくつかの要素を挙げています。
一つ失敗すると総べて駄目になるという考え「全か無か(二者択一)」。
少しの困難を大災難のように考える「破局的な見方」。
仕事等の一度の失敗が将来に渡って繰り返し起こると考える「過度の一般化」。
何事も否定的な見方で、決して肯定的には見ない「心のフィルター(選択的抽出)」。
良い出来事も悪い出来事にすり替える「マイナス化思考」。
相手に対する勝手な思い込み「心の読み過ぎと先走った否定的な読み」。
他人を大きく、自分を小さく見る「誇大視と過小視のトリック」。
罪悪感や悪人感などの解決不可能な理由にこだわる「情緒的理由付」。
否定的自己像をつくり洛印を押す「誤ったレッテル貼り」。
関係の無い物も自分のせいにする「自己関連付」。
うつ病患者はこれらの認知の歪んだ「スキーマ(物の見方の鋳型)」によって規定されていると考えたのです。
これらの認知の歪みを指摘するのでのは無く、患者自身が気付いて、自分で答えを見つけられる様にしていくのです。
ただし、自殺念慮の強い場合のうつ病と双極性のうつ病では、危険なので適応ではありません。
うつ病の回復期間がどれくらいかは一概に言えません。
DSM-Ⅳ(アメリカ精神医学会が発行している「精神障害の診断と統計マニュアル」(Diagnostic and Statistica1 Manual of Menta1 Disorders)第4版)ではうつ病の診断基準は少なくとも2週間以上続くものと定義していますが、治癒するまでの期間は未定です。
うつ病といっても、対象とするうつ病の病型の差、うつ病の定義を広義にみるか狭義に捉えるか等で違ってきます。
個人的な生活環境や資質なども強い影響がありますので、なかなかハッキリした予測がだせません。
精神医学研究の第一人者で、一般向けのうつ病の著書もある笠原審氏のデータでは、3ヶ月以内が約1/3、9ヶ月以内が2/3、1年以内では7/9が治癒したという報告があります。
ただし1年以上や、まれに2~3年以上も続いた後に良くなったケースもあるそうです。
アメリカの大学病院のデータでも、大うつ病ばかりの難治のケースで80%は2年以内に治癒したという報告があります。
ほとんどのうつ病の場合は、期間の長短は別にして休養と抗うつ薬で治癒していますが、抗うつ薬に関しては患者さんばかりでなく周囲の人も“脳に働きかける薬”という事で、抵抗感があったり、すぐに効果が出るわけではないので途中で服薬をやめてしまうケースがかなりあります。
また抗うつ薬には「ボケになる」「単なる気休め」「薬の依存症になる」「薬にいつまでも頼ってはいけない」等の俗説もあり、それが薬の服用を妨げてもいます。
確かに抗うつ薬は副作用がありますが、うつ病の療法はかなり完成されていて、薬もその方法の下に処方されています。
症状がなくなってからも半年以上服薬を継続した患者さんの方が、止めた患者さんより再発率がずっと低くなったという臨床報告も出ており、服薬は医師の指示に従う事が大切で、勝手な判断は時として悪化させる事になるので不審な場合も医師の説明を求める事です。
日本ではうつ病の薬に「三環系抗うつ薬」「四環系抗うつ薬」「SSRI」「MAO阻害剤」等が使われています。
三環系抗うつ薬は化学構造式の中に3つの環がある事からこの名が付いていて、古くからあるタイプの抗うつ薬で、今でもよく用いられます。
特徴はほとんど全ての人に効果が期待できる点ですが、副作用が一番出やすいというデメリットもあります。
口が渇く、便秘、排尿障害、目のかすみ、人によっては心臓や肝臓に障害を起こしたりします。
四環系抗うつ薬は副作用を減らす目的で開発されたものですが、効果の点でも副作用の点でも三環系抗うつ薬より軽くなっています。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、プロザックが有名です。日本では’99年に認可されて(製品名:ルボックス、デプロメール)使用されました。
三環系抗うつ薬が複数の神経伝達物質(アセチルコリン・ノルアドレナリン・セロトニン・ドーパミン等)に作用するのに対し、SSRIはセロトニンだけに作用する為その他の物質に関連した副作用が起こらないのが利点で、心臓にも負担がかかりません。
しかしこれは長所であると同時に短所でもあり、副作用が限られる分作用も限られるのです。
一般に軽度のうつ病の人には有効ですが、三環系抗うつ薬でなければ効かない場合もあります。
さて薬の効果が現れるのは服用開始からおよそ2週間たってからで、副作用の方が早く現れます。
抗うつ薬は一定の血中濃度を保って初めて効果が現れる薬なので、副作用を嫌って飲む量を減らしたり中断しては何の効果も期待できません。
またうつの症状が改善されてからも再発を防ぐ為に半年間は同じ量の薬を飲み続ける必要があるのです。
うつ病と不眠病では必ずといってよい程不眠が起こります。
落ち込み感など、他の兆候があっても熟睡感と朝の爽快感があればうつでは無いといえる程です。
不眠には・入眠障害、・熟眠障害、・早朝覚醒、・多夢がありますが、うつ病ではどのパターンも多く、また混在してみられます。
とはいっても、うつ病による不眠で最も特徴的なのは早朝覚醒です。
夜中や早朝に目が覚めて眠れなくなるのですが、その時には抑うつ気分が強まり、自責の念等も起こりやすくなり、自殺の危険性が高まります。
睡眠不足を昼寝で補おうとしても、うつ病では昼間でも眠り難くなっている様です。
しかも、睡眠の質的な変化も起こっています。レム睡眠は大脳を活性化する眠り、ノンレム睡眠は脳を沈静化する眠りだといえ、実際、レム睡眠はノルアドレナリン、ノンレム睡眠にはセトロニンが関係しています。
健康な人ではレム睡眠がゆっくり現れ(90分~120分かけて)、朝になるに連れて長くなるのに、うつ病の不眠では、眠りに入った後レム睡眠が早く現れ(40分前後で)、睡眠前半に長く、後半に短くなる事が分かっています。
脳を沈静化してくれる眠りが不足し、いわば脳が過覚醒の状態に陥っているといえるのです。
つまりうつ病での不眠のベースにはこうした神経伝達物質の機能異常が眠りにも影響を与えていると考えられます。
うつ病では体重の減少や不眠、気力減退、思考力低下、性的関心の消失等様々な症状を伴いますが、一番注意する事は自殺です。
うつ病は職場や家庭での対人関係、引っ越し、進学、昇進等生活の変化等が過剰ストレスとなって心身を蝕む事で引き起こされます。
また真面目で几帳面、責任感が強い、仕事熱心な完全癖といった性格の人はストレスをまともに受けてうつ病になりやすいと言えます。
うつ病は休養が必要ですが、この様な性格の人は、どうしてうつ病になったのか、早くこの状態から抜け出したいと焦り苦しんでいます。
更に何事に対しても意欲がなく、無価値感や罪責感に悩まされ、「死にたい」とか、「自分は必要がない人間」と強く感じ、自殺をほのめかす自殺念慮が強くなります。
この状態の人には不用意な対応をしないことが大切です。
例えば突然、会社や学校を辞めたいといった決断をしてしまう場合がありますが、大きな決断は現時点ではしないようにアドバイスするべきです。
また、励ましの言葉は更に苦しめます。「がんばりなさい。」「一日も早く良くなれ」「怠けているんじゃないか」等の言葉はタブーです。
接する時は気持ちを推し図って、共感を持って対応する事が大切です。焦りの強い人には「早く治そうと焦らないでゆっくり治して行こう」と気持ちに余裕を与えたり、また思い悩んでいる人にはこの様な状態になって大変ですね」と共感してから、「うつ病は必ず治る病気ですから」と安心させる事です。
自殺は衝動的に実行される事があるので、専門医に早く受診させる事が大切です。
内科を受診する人の20人に1人、入院患者(精神科以外)の5人に1人がうつ病だとみられています。
様々な身体的愁訴をかかえて施術院を訪れる患者さんの中にも当然うつ病の方がいると考えられ、そのことは施術を進めて行く上でも念頭に置いておく必要があります。
多くの場合最初は精神的な愁訴よりも身体的な愁訴、疲労感、倦怠感の訴えが多く出ます。
外見的にも活気が無かったり、動作が辛そうで緩慢、表情が暗い様であればうつ病の可能性があるとみられます。
更に会話の中で睡眠の状態や食欲等を聞いて、不眠や食欲不振があればよりうつ病の疑いは濃くなります。
抑うつ感だけでなく、これまで好きだった事までやる気が起こらないとか、何でも無くできていた日常の行動や仕事等を努力しなければできなくなった、先々を悲観的に考える等の症状があれば受診が必要な段階といえます。
カウンセリング的対応や行動療法などの認知療法はうつ的傾向にある人や再発予防の為には有効ですが、既にうつ病を発症している様な場合は抗うつ剤と休養が療法の中心と考えるべきです。
体の病気のほとんどは精神的なストレスと無関係では無く、精神的ストレスは消化器、循環器を始め全ての身体部分に機能的、器質的疾患を起こします。
この様に心因的なものと非常に関係の深い疾患を心身症というくくり方をしますが、うつ病もいわば脳に起こった心身症といえます。
うつ病は心の病気ではありますが、脳が長期的に受けたストレスの結果、中脳一辺縁系で神経伝達物質のカテコールアミン(ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン等)やインドールアミン(セロトニン等)の刺激伝達機能が上手く行かなくなっている事は分かっています。
また前頭葉の血流低下やグルコース代謝の低下も起こっている様ですが、回復すると正常化します。
つまり、体質的に脳のアミンの代謝や機能に弱点のある人が、社会的環境、心理的ストレス、肉体的変化(思春期、更年期、老化)等の慢性的ストレスによって代謝が上手く行かなくなり、自律神経障害を含む身体症状や精神症状が起こると考えられるのです。
また脳の部分では、例えば帯状回という部分が興奮すると不安感が起こり、扁桃体が過剰に抑制されてもうつの状態になります。
脳は使っているとその部分の血流が増えシナプスが増えて強化されます。
思考の傾向で不安や怒りの感情を持ち続けると辺縁系の帯状回や扁桃が刺激され続け、強化されてしまうのです。
一方明るい思考や喜びの気分は側座核や前脳基底核の中隔核を刺激、強化します。
つまり日頃の思考パターンや感情そのものが脳の回路パターンを作るのだともいえるわけです。
うつ病が発症すれば心掛けや精神力では治りませんが、治った後負の回路を強化し続ける様な思考・感情生活をしていれば再発する事になります。
精神療法や認知療法はうつ病の予防・再発予防にとってこそ必要だといえます。
うつ病では情動と関連する神経伝達物質であるセロトニンが減少している事が確かめられています。
ストレスや不安や悩み等があると情動に関連する帯状回や扁桃が刺激されセロトニンの分泌が抑制され、この状態が続くとうつ状態になっていくのです。
このセロトニンの分泌を促すのに運動、光、睡眠等が有効です。運動は不安や悩みで興奮している神経回路と違う神経回路を使う事で、不安な神経回路を抑制し、気分が向上してセロトニンの分泌を促すのです。
その運動量は週2~3回、30分程度のウオーキングで効果があります。
また眼から入る光は視床下部を刺激し、セロトニンの分泌を促し、松果体に溜めます。そして夜になると酵素が働いてセロトニンが睡眠物質であるメラトニンに変化し、睡眠を与えて心を安定させたり、不安を解消させて脳に活力を与えるのです。
このセロトニンは肉、魚、大豆といった食品に含まれる必須アミノ酸のトリプトファンを材料にして作られますが、特にトリプトファンは肉等の動物性蛋白質に含有量が多く、最も効率的です。
更にトリプトファンを脳に送り込む為にはブドウ糖が必要で食後の甘い物も大切なのです。
肉や食後の糖質は生活習慣病の最大の敵にみられていましたが、セロトロニンの研究によって、肉食は精神を安定させる為に必要だという事が分かってきたのです。
まず肉を食べてセロトニンの材料であるトリプトファンをとり、太陽の下で運動がする事がうつ病を予防するのです。
日本は世界の中でも自殺率が高い国です。 WHOの2014年の調査では90ヵ国中6番目、先進国の中では日本はトップといえます。
またどの国でも女性の自殺率は男性よりも少ないのですが世界的にみると日本の女性は自殺率が高く(3位)、先進国としては特殊な部類に入ります。
自殺者が最悪だったのは2003年、34.427人で、2016年21.764人で減少をしています。動機は健康問題がほぼ半数を占めていて動機の増加率としてはあまり変化はありません。
一方経済問題や勤務問題の増加率が高くなっているのは予想される通りで、無職の男性は職を持っている男性よりも自殺のリスクは10倍にも跳ね上がっています。
また中年の自殺が増えていますが、自殺率が最も高いのはやはり80歳以上です。北欧は福祉国家であるのに自殺が多いといわれていましたが、現在では日本より減少しています。
いずれも国レベルで自殺予防策がとられたためで、フィンランドでは関係機関のネットワーク形成、ワークショップの開催等40のプロジェクトが実施されて1割減少。
スウェーデンでは国立の研究・防止対策センターが作られ様々なプログラムが実行されて2割もの滅少がみられています。
アメリカを始め欧米でも様々な教育・啓発事業によって自殺率の低下に成果をあげています。
日本では新潟県松之山町が自殺予防の取り組みに成功していて、高齢者のうつ病スクリーニングを行う等の対策によって自殺率は3割も減少しています。
自殺の多くがうつ病と関係が深い事が認識されてきましたが、きちんとプログラムを組んで実行すれば厳しい経済状況の中でも確実に自殺は減らせるのです。
生まれながらに幸せの感情に保護されてる能力を失ってしまってしまった人は全ての気がなくなっています。
心が固くなるから幸せを感じなくなる。幸せを感じなくなるから心が固くなるこの状態が気が塞ぐと言った状態なのです。今はお金持ちになった人に「人生で楽しかった時期はいつですか?」の質問で金持ちの今を口にする人は少なく貧乏で苦労してた若い頃を言う人が多いです。
今の現状ではないのです。今が幸せの絶頂期の人が幸せの絶頂期かというと「この状態はいつまでも続かない、これからいつ落ちていくのか」と不安に感じたりもします。
「お金」「財産」「友人」「名誉」「地位」・・・得られれば幸せになる気がしますが、幸せになりません。これら幸せの材料と思われる素材はあったらきっと幸せになるとの幻想です。
実際にこの中のほとんどを手に入れている人でもうつになっています。固くなった心を柔らかくすれば良いのです。薬ではうつは本質的には治りません。
便秘を例にします。便秘薬は便秘の人に当たり前の様に医師は出し患者さんは便秘薬を飲み、または薬局で市販薬を買い求め飲んだりしていますが、便秘薬では便秘は治らず便秘をより進行させさらに飲み続ければ便秘を重症化させるのです。
一時的にはお通じは出るでしょうがそれは一時的なので便秘薬を飲み続けます。本質的な改善は食習慣の見直しと適切な運動など便秘になっている身体を体質改善で治すしかないのです。
うつの人は必ず気が固くなっています。気が滞っています。気功により気を柔らかくして気が流れるように体質改善をしなければなりません。便秘薬の常習で便秘の常習化ならまだしも向精神薬の常習でうつ病の重症化は目先だけの事で失敗してきているのです。
「気」を流れるようにして「気が塞がった」状態からの脱却が先決です。気功や気功治療を治療の基軸にして本来生まれ持っている幸せのフィルターでみてる時もあった自分を取り戻す時が来たのです。