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呼吸器 - Part 3の記事一覧

昼間の眠気

2021.06.10 | Category: 呼吸器

昼下がりに眠気が高まる事は誰にも起こる生理的な現象ですが、日常生活に差し障るような眠気は病気とみなければなりません。

新幹線の運転士の居眠りが睡眠時無呼吸症候群によるものだと分かってその危険性が意外に多い罹患率が一躍クローズアップされました。

こうした昼間の眠気は過眠症といいますが、軽いものから重いものまで様々です。過眠といっても夜の睡眠が障害されている為に昼間の眠気が起こるものも多く、睡眠時無呼吸症候群はその代表的なものです。

もちろん睡眠の絶対時間が足りなかったり疲労によって昼間の眠気が起こるのは当然です。

過眠症の中でも極端なものはナルコレプシーという睡眠が過剰になるための慢性発作性疾患で、突然居眠りの発作を繰り返します。

体質的な病気で、白血球の血液型と関係があり、脳内のオレキシンという物質が低下している事が分かっています。

青年期に表れる事が多く、居眠りの発作だけでなく、笑ったりして感情が大きく高まった時に全身から力が抜けるというような情動脱力発作を起こします。

いわゆる金縛り状態になる事も多く、夜の睡眠はかえって少なくなる事もあるようです。

その他の過眠症には慢性的な飲酒、あるいは薬物の離脱後にも起こります。

また季節性のうつ病でも昼間の強い眠気が表れる事があり、髄膜炎や頭部外傷がきっかけで過眠が起こる事もあります。

服用している薬の影響も大きく、風邪薬で眠くなる事があるのはよく経験していますが、抗不安薬、抗うつ薬や抗精神病薬でも過眠が表れる事があります。

また睡眠薬の持ち越し効果で昼間も眠くなる事があります。

特に高齢者は代謝が落ちているので、持ち越し効果が表れやすいといえます。

肺容量の減少手術

2021.06.03 | Category: 呼吸器

肺への空気の流れが悪くて呼吸困難を起こす病気を慢性閉塞性肺疾患といいますが、慢性気管支炎と肺気腫を総称してこう呼ぶようになってきています。

肺気腫は肺を形成する肺胞が、主に長期の喫煙によって壊れて弾力性を失い、硬くなって縮むができなくなった肺組織が膨らんだままになる病気です。

胸郭一杯に膨らんだ肺は下部の横隔膜まで圧迫して、呼吸運動をする隙き間がなくなるので、少し体を動かしただけでも非常に息苦しくなってきます。

一度壊れてしまった肺胞を元に戻す方法はなく、呼吸機能を完全に復活させるには肺の移植しかないといわれています。

血管拡張剤や酸素吸入等で息苦しさを軽くすることはできても、その効果は十分とはいえません。

そこで考案されたのは外科手術で傷んだ肺の一部を切り取り、肺の容積を小さくして呼吸運動をする余地を作り出す方法です。

90年代初めは大きな傷跡が残る手術だったのが最近では内視鏡手術が主流になってきています。

胸の脇に3.4ケ所の小さな穴をあけ、内視鏡や自動縫合器等手術器具を入れ、肺尖部を肺全体の8~6分の1程度切除します。

手術によって呼吸機能がどの程度改善されたかは、福岡大学病院のおよそ100例の平均によると、1秒間の呼気量(肺が1秒間に吐き出す量)が手術前に比べて約50%増えています。

しかし肺気腫なら誰でも手術できるわけではなく、休み休みで50メートル位歩ける体力が要求されるのです。

そして肺容量減少手術は根治ではないので、5年も経つと呼吸機能が手術前に戻ってしまう患者もいるといいます。

しかし呼吸困難で苦しい症状が手術で大幅に改善され、日常生活を自力で行える様になるのは大切な事です。

結核

2020.09.02 | Category: 呼吸器

これまで減少し続け、恐れるに足りない過去の病気だと思われていた結核ですが患者数は減少していますが鈍化してきています。

患者数は22、681人で、日本は先進国の中でも群を抜いて高く、アメリカの4倍になります。

学校や病院、老人ホーム等での集団感染が多数報告されていて、結核は決して過去の病気とはいえません。

しかも最近の結核では抗生物質が効かない耐性菌も出て来ているのでますます深刻です。

日本で結核が増加に転じたのは高齢化が大きな要因になっています。

結核はしぶとい菌なので加齢で体力が弱まったりするといわぱ日和見感染的に発病することになります。

現に結核を発病している半数以上が昔結核が蔓延していた時代を生きてきた高齢者です。

また最近では高齢者だけでなく不摂生やダイエットによる体力低下を招いた若者などにも感染者が増えています。

結核に対するリスクの高い人は高齢者、糖尿病患者、肝臓や腎臓機能障害の人、腎透析を受けている人、副腎皮質ホルモンを服用している人、エイズなどによる免疫系にダメージを受けている人達です。

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