- Blog記事一覧 -2月, 2021 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院 - Part 2の記事一覧

2月, 2021 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院 - Part 2の記事一覧

ヘマグルチニンとインフルエンザ

2021.02.18 | Category: かぜ

インフルエンザウイルスはどの様に宿主である呼吸器系の細胞に侵入するのでしょうか。ウイルスの表面の蛋白にはヘマグルチニン(HA)があります。

これは赤血球凝集素と言う名前が付けられています。と言うのもインフルエンザウイルスと赤血球を試験管の中で混ぜると、赤血球が固まって試験管の下に沈殿するのです。

この現象を赤血球凝集と言います。つまりウイルスのHAにより赤血球の表面にあるシアル酸が付いているレセプターとが鎖の様に繋がってしまうからなのです。

勿論、このウイルスのHAは赤血球にくっ付く為にあるのではありません。赤血球には核がありません。つまり遺伝子を持たないのでウイルスが侵入する事が出来ても、ウイルスにとって自己の増殖には全く役に立たないからです。

実は、鼻や気道の粘膜の細胞にも赤血球と同じシアル酸レセプターがあるのです。そこにウイルスが取り付いて結合して、そこから細胞内に侵入する拠点にするのです。

宿主細胞はこの取り付いたウイルスを栄養やホルモンと勘違いして、自らとり込もうとするので、やすやすと細胞内にウイルスは侵入する事が出来るのです。

そして侵入するやそれまで着ていた膜を脱ぎ捨て核に潜り込んで自らを複製するのです。

鳥とインフルエンザ

2021.02.17 | Category: かぜ

世界的規模で流行するのがインフルエンザA型です。このウイルスの表面のHA(ヘマグルチニン)は感染した細胞に侵入する時、またNA(ノイラミニターゼ)は細胞から出て行く時に働く蛋白質です。

このHAとNAが人間の免疫システムから逃れる様に絶えず変異を繰り返し、ワクチンの効果も無力化させているのです。

HAは15種類、NAは9種類が確認されていますが、鳥のインフルエンザウイルスにはこのHAとNAが全てあり、鳥はA型ウイルスのルーツと言われています。

通常、このウイルスは鳥の腸の中にいて発症しませんし、人間にも直接感染する事はありません。

研究で、新型インフルエンザは渡り鳥が中国華南地方に渡り、その鳥の糞を豚が食べて感染し、豚の体内で遺伝子組換えが行われ、突然人間への感染を身に付ける様に変化したと言う事が確認されています。

この地方では人、豚、鳥が身近に生活している為にだと言われています。大流行したスペイン型(HINI)、アジア型(H2N2)、香港型(H3N2)はこの地域から発生したと言う研究告があるのです。

1997年香港で広がったインフルエンザウイルスH5N1は、強い毒性からトリぺストと呼ばれ鳥が大量に死にました。鳥のインフルエンザは直接人間には感染しないと言われていました.

そのウイルスが人間に感染したので世界中を震撼させ、130万羽の鳥を処分する事でその感染の拡大を未然に防ぐ事が出来ました。

WHOでは新しい抗原性をもった異株を早めに発見する為に世界各地から情報を集めて、流行しそうなインフルエンザ株(種類)についての勧告を出して、ワクチンの準備などの対策を進めています。

インフルエンザの感染力

2021.02.16 | Category: かぜ

インフルエンザウイルスは空気感染ですから、容易に人から人にうつります。既に感染している人は1回のくしゃみで空気中には10万個の飛沫が飛び散ります。

その中の4%(4000個)は30分位は浮遊していると言います。冬場の空気が乾燥しているとその飛沫の粒子も蒸発が起こり、益々重さの軽い粒子になり落下速度が遅くなるので長時間空気中に浮遊する事になります。

その浮遊する粒子にウイルスはくっ付いているので、その粒子を含んだ空気を吸うと、鼻粘膜や咽頭にウイルスが着地する事になるのです。感染直後に呼吸器系で爆発的に増殖して行き、通常は24時間から48時間で症状が出てきますがひどい時は数時間で出て来る事もあります。

このウイルスは感染者の中で、発病後10日間は症状が治まった様に見えても、しっかり潜伏していますので咳やくしゃみと共にウイルスがばら撒かれる事になります。

ですから、インフルエンザをひいて治って間もない人も要注意人物なのです。この粒子はどこにでもくっ付いてしまいますので色んな物を触る手や衣服にも付いて、家の中にも持ち込む事になり、これが再び空気中に浮遊する事になります。

帰宅後の手洗いはこの微粒子が最も接触する可能性のある手からウイルスを除去出来るので予防の最も有効な手段であるのです。寒い冬でも換気が必要なのは浮遊しているウイルスを屋外に出す効果があるからです。

また、この飛沫の粒子は100ミクロンから10ミクロン以下ですので大きな粒子にはマスクも有効です。

とにかく風邪の季節、くしやみと咳には近寄るべからずです。以前は帰宅してからのうがいも防止対策にされていましたが、現在ではこれも否定されています。

ウイルスは粘膜に接触してから約20分の非常に短い時間で体内に侵入してしまうのです。

初動負荷に注目したトレーニング

2021.02.15 | Category: 筋肉

スポーツのトレーニングといえばバーベルやマシーンを使ったウエイトトレーニングがイメージされますが、それらの多くは徐々に筋肉に負荷をかけて筋を肥大させることで筋力を高めることが目的です。

ところが、最近では初動負荷に注目したトレーニング理論が注目されています。従来のトレーニングでは最後の方に負荷をかけていく終動負荷が多いのですが、これでは筋肉が疲労し、乳酸や二酸化炭素が溜まったり、うっ血状態になって弊害が起こるというのです。

つまり大きな筋肉が力を発揮し続けるとパンプアップ状態になると考えられるのですが、バンプアップは筋力を一時的に低下させたり、筋肉の可動域を減らします。

つまり動きを必要とする筋肉作りにはパンプアップ状態は禁物となるわけです。

これに対して初動に負荷をかけるトレーニングでは最初に大きな負荷を筋肉に与えたあとは筋肉の反射を利用するかたちで収縮と伸張を繰り返します。

つまり大きな筋肉が続けて力を発揮する事が無いのでバンプアップが起こりにくいというわけです。

すると血がスムーズになるので乳酸などの疲労物質もすみやかに運び出されて柔軟な筋肉が作られるのです。

また筋断裂が少ないので筋肉痛が起こりにくく、続けてトレーニングができるとされています。

筋膜と腱

2021.02.14 | Category: 筋肉

個々の筋細胞膜の表面は、ソフトタイプのコラーゲン繊維でできた「基底膜」で、その外にはやや厚い「筋内膜」で覆われています。

この筋細胞が数百で筋束を作り「筋周膜」に、更に表層を「筋外膜」で覆われ、これら筋内膜・筋周膜・筋外膜は張力に強いタイプのコラーゲン繊維でできています。

筋から腱へ力の伝達をする時、筋と腱を構成する蛋白質はそれぞれ性質が異なっていて、その接合部は数種の蛋白質が中継する複雑な構造になり、筋線維の端では細胞膜が凸凹しています。

これは筋の細胞膜とコラーゲン組織との接触面をできるだけ広くする為の様です。

腱と骨膜の構成成分は同じタイプのコラーゲン繊維なので、化学的結合で強力に接着していますが、やはり接触面積を広くするために骨表面に細かい凹凸(骨組面)があって、腱が骨にくい込む形で物理的にも強く接着しています。

腱のコラーゲン分子は棒状構造をしていて密集して平行に並び、長軸方向には引っ張ってもあまり伸びない性質を持っていますが、筋内膜や筋周膜のコラーゲン繊維では、分子の配列がランダムなので伸縮できます。

実際に腱が伸び始める時にはいくらかコラーゲン繊維に緩みがあって、バネの様な弾性がありますが、伸びきってしまうと硬くなって張力に強い抵抗を示し始めます。

腱がこの様に弾性を持つ事で筋収縮のエネルギーを弾性エネルギーとして一時的に腱に蓄え、その後の連続筋収縮運動のエネルギーが少くて済むような仕組みになっています。

アキレス腱の働きでいうと、走ったりジャンプしたりする時、このメカニズムで筋収縮エネルギーを節約していると考えられています。

脂肪が燃える筋肉

2021.02.13 | Category: 筋肉

遅筋(タイプⅠ)と速筋(タイプⅡ a、タイプⅡ b)という筋肉のタイプは、持続力や瞬発力の違いとしてだけで無く、代謝の違いとしても考える事ができます。

瞬発力に優れたタイプⅡbは白筋とも呼ばれますが、エネルギー源は糖質だけで代謝に酸素を使わないので血液からの酸素補給も必要ありません。

したがってミオグロビン(酸素の貯蔵体)やチトクローム(酸化還元にかかわるヘム蛋白質)がほとんど無い為に白く見えるのです。

反対に遅筋のタイプⅠはエネルギー源に脂肪を使いますが、その脂肪の代謝サイクルでは酸素が絶対に必要なので筋線維の中にミオグロビンやチトクロームを沢山含んでいます。

タイプⅡ aはその中間で糖質と脂肪をエネルギーにする事ができるのでミオグロビンやチトクロームもその中間となりピンク色に見えます。

したがって脂肪を燃やす筋肉はタイプⅠとタイプⅡaということになります。速筋に運動刺激を与え続けるとタイプⅡ bはタイプⅡ aに変化する事ができます。

つまり糖質だけしかエネルギーにできなかった筋肉が必要に迫られて脂肪をも処理できる様になれるのです。

また筋肉は熱も変生していますが、糖や脂肪のエネルギーを直接熱にするのがUCP-3という蛋白質で、そのUCP-3を一番多く含むのがタイプⅡ aの筋肉なのです。

つまりⅡbからⅡaに変化した筋肉は筋肉が動いていなくてもせっせと熱を変生し続けるようにというわけです。

筋肉を増やすと基礎代謝が上がるというのはタイプⅡbがタイプⅡ aになってUCP-3が沢山できるからです。

筋肉がlkg増えると、基礎代謝は40キロカロリー程度上がるといいますから、筋肉を増やす事は脂肪が燃えやすい体になる事なのです。

ただし、持久的なトレーニングを続けると、体はエネルギー節約型になり、UCP-3はかえって減少するといいます。

つまりマラソンランナーは走りをやめると太りやすい体になっている事も考えられます。その意味でも脂肪を燃焼させるにはレジスタンス運動によって筋肉の量を増やす事が必要なのです。

年齢とコロナ

2021.02.12 | Category: 新型コロナウイルス

医療体制が未整備なアフリカ等の地域はコロナ感染で爆発的なパンデミックが起こると専門家で発生当時は言う方がありますが、そうではありませんでした。

各国平均年齢生まれてから死ぬまでの真ん中を取ると、サハラアフリカ地域では15歳の国があるそうです。総数を割り算したものでは無く中間値を割り出したものです。

その国ではコロナの感染死亡者はさほどではありません。当然日本では高齢者の割合が高い国です。

スエーデンでは基本的に80歳以上の高齢者はこの病気にかかった場合面倒をみないそうです。

イギリスではコロナ病床が3分の1を占めているのに対し日本では感染症対応病床に対しての入床比率がネット上での数値です。これではベットが足りないのは必然でしょう。

EU諸国の海外のような発生状況でないからこれで済んでいますが、もしファクターXが日本に無くアメリカのようなイギリスの様な感染状況であったならどうなっていたでしょう。

ようやくワクチンの承認とワクチン到着がニュースとなっていますが、日本は高齢者の国ですので、今回は何らかの原因で中国同様感染者数が先進諸国に比べて少なくて済みました。

感染者数が比較的少ないので助かっていますが、もし今後新しいウイルスがまたパンデミックを世界中に起こった場合アメリカ並みの対応をしないと60歳以上の死者の山となってしまうかもしれません。

筋紡錘

2021.02.12 | Category: 筋肉

意識しないのに起こる身体の反応を「反射」といいますが、美味しそうな物を見た時にヨダレが出たり、「とっさ」の身体のバランス調整等も反射です。

最もよく知られているものは「膝蓋腱反射」ですが、腱反射といっても腱の反射ではなく、腱が叩かれる事で大腿四頭筋の伸張に対応する筋紡錘の反応なのです。

細い筋線維に神経が巻き付いてちょうど紡錘形をしている事からこの名前が付いています。筋紡錘は伸張に対して電気信号を感覚神経を経て脊髄に送ります。

一部は脳に上行し、一部は脊髄でUターンして運動神経を伝わり元の筋肉に到運します。その信号によって筋肉の収縮反応が起こるのです。筋肉に遅筋と速筋があるようにこの筋紡錘にも遅筋タイプと速筋タイプがあります。

また筋紡錘は筋線維と並列になっているので、受動的に引き伸ばされたときは刺激を受けるのですが、能動的に収縮する時には筋紡錘はたるんで刺激を脊髄に送らないようになっています。

筋肉の動きの速さや強さを自動的に調節する為の感覚器といえます。ですから、この筋紡錘の働きが鈍ると身体のバランスをとるのが上手くいかない事になります。

高齢者は筋肉と同時に筋紡錘も衰える事でとっさのバランスがとれなくて転倒する事が多くなるのです。また、過剰なストレスで交感神経が興奮すると筋紡錘も興奮して筋肉を収縮させてしまう事も分かっています。

同時に血管も収縮してしまうのでエネルギー不足になり、それがコリの原因になるのです。その様な状態が続いてしまうと、筋紡錘は疲労して感覚が鈍くなる為、過伸展等を起こし、それが筋肉の損傷や筋肉痛の引き金にもなります。

この筋紡錘をリラックスさせる為には心身のリラックスが必要で、少し強めのストレッチも有効です。そして短くてもいいですが、多い回数の運動が大事なのです。

筋肉が脳を作る

2021.02.11 | Category: 筋肉

指先を使う人は長生きだとか、体を良く動かす人はボケ無い等といいます。

実際指を動かす時には脳の運動野の広い領域が働いている事が分かっていますし、体を動かす為には筋肉の微妙な動きを調節する必要がある為に脳を総動員して働かせています。

つまり筋肉を動かす為に脳は働かなければならず、それが脳自身の刺激になっていると考えられるのです。

筋肉はそれ自体が感覚器でもあり、自分の筋肉がどの様に動いているのかは目を閉じていても分かるだけでなく、筋肉で生じた疲労物質などの代謝物質などの情報を脳に送る働きもしています。

しかし、最近の脳科学の進展によって神経が筋肉を制御しているだけでも、感覚器として情報を脳に送っているだけでなく、筋肉の動きそのものが脳を刺激、制御しているという事が分かってきたのです。

運動をすると大脳運動野が活性化されますが、同時に視床下部も活性化して成長ホルモンや副腎皮質ホルモン等を分泌させます。

その時、大脳からの運動指令とは関係無しに、筋肉の運動そのものがその部分を刺激するらしいのです。

最近では神経細胞も増殖したり成長したりしているという事が分かってきましたが、それを担っているのが神経栄養因子で、いくつもの物質が見つかっています。

筋肉の動きによって分泌されたホルモンは神経細胞の核に届いて神経栄養因子を作らせる遺伝子に働き、それで増えた神経栄養因子によって脳は神経細胞やシナプスを増やすのだと考えられます。

マウスの実験でも運動によって海馬の神経細胞が増える事が確認されています。

ひどい「うつ」は脳の海馬の部分の萎縮を伴っている事が分かっていますが、うつの治療に運動が効果的であるのも、筋肉の動きが海馬の神経細胞を増やすからだといえるでしょう。

筋肉は脳からの指令を受けるだけでなく、脳を作っているといってもよいでしょう。

大腰筋

2021.02.10 | Category: 骨格筋

大腰筋、腸骨筋とで腸腰筋といいますが、この骨盤内のインナーマッスルは、骨盤、股関節、脊柱をつないで歩行や姿勢に関わる大切な筋肉群です。

腸骨筋は骨盤の上部から始まって大腿骨の小転子に停止する単関節筋で、大腿骨を引き上げるときに働きます。

大腰筋は第12胸椎と第1~4腰椎椎体という広い範囲から始まり、途中で腰骨筋と一緒になって大腿骨の小転子に付着する複関節筋です。

腰骨筋は大腿骨を引き上げるという単純な働きであるのに対し、大腰筋は股関節を曲げる、骨盤を立てる、腰椎を腹側に引いて脊柱のS字型を維持するという複雑な働きをします。

更に自律神経とも密接な関係を持つ重要な筋肉なのです。大腰筋が衰えると骨盤が後ろに傾き、内臓を支える腹筋等が緩んで内臓が下垂します。更に姿勢のバランスをとろうとして顎や胸椎が前に突き出し、猫背になってしまいます。

当然腰まわりの筋肉も弱まり、筋肉の代謝全体が悪くなって、内臓脂肪も皮下脂肪も溜まりやすくなるのです。

こうした状態では交感神経の働きも悪くなり、益々代謝が悪くなり冷え症や更年期障害、便秘を引き起こす様になります。

当然歩行能力にも影響し、つまづきや転倒の危険性が大きくなります。実際高齢者に大腰筋のトレーニングを行う事で歩行能力が著しく改善したとの報告もあります。

高齢になると大腰筋が衰えてきますが、最近では若い女性も運動不足の為大腰筋が細くなっていて、それが冷え症や隠れ肥満の原因になっていると考えられます。

簡単なやり方ではスクワットが効果的ですが、無理な場合は腰掛けたイスから立ち上がる事の繰り返しでも効果はみられます。

当院のスケジュール