- Blog記事一覧 -脂肪が燃える筋肉
遅筋(タイプⅠ)と速筋(タイプⅡ a、タイプⅡ b)という筋肉のタイプは、持続力や瞬発力の違いとしてだけで無く、代謝の違いとしても考える事ができます。
瞬発力に優れたタイプⅡbは白筋とも呼ばれますが、エネルギー源は糖質だけで代謝に酸素を使わないので血液からの酸素補給も必要ありません。
したがってミオグロビン(酸素の貯蔵体)やチトクローム(酸化還元にかかわるヘム蛋白質)がほとんど無い為に白く見えるのです。
反対に遅筋のタイプⅠはエネルギー源に脂肪を使いますが、その脂肪の代謝サイクルでは酸素が絶対に必要なので筋線維の中にミオグロビンやチトクロームを沢山含んでいます。
タイプⅡ aはその中間で糖質と脂肪をエネルギーにする事ができるのでミオグロビンやチトクロームもその中間となりピンク色に見えます。
したがって脂肪を燃やす筋肉はタイプⅠとタイプⅡaということになります。速筋に運動刺激を与え続けるとタイプⅡ bはタイプⅡ aに変化する事ができます。
つまり糖質だけしかエネルギーにできなかった筋肉が必要に迫られて脂肪をも処理できる様になれるのです。
また筋肉は熱も変生していますが、糖や脂肪のエネルギーを直接熱にするのがUCP-3という蛋白質で、そのUCP-3を一番多く含むのがタイプⅡ aの筋肉なのです。
つまりⅡbからⅡaに変化した筋肉は筋肉が動いていなくてもせっせと熱を変生し続けるようにというわけです。
筋肉を増やすと基礎代謝が上がるというのはタイプⅡbがタイプⅡ aになってUCP-3が沢山できるからです。
筋肉がlkg増えると、基礎代謝は40キロカロリー程度上がるといいますから、筋肉を増やす事は脂肪が燃えやすい体になる事なのです。
ただし、持久的なトレーニングを続けると、体はエネルギー節約型になり、UCP-3はかえって減少するといいます。
つまりマラソンランナーは走りをやめると太りやすい体になっている事も考えられます。その意味でも脂肪を燃焼させるにはレジスタンス運動によって筋肉の量を増やす事が必要なのです。