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子供 - Part 2の記事一覧
子供の発育と睡眠には密接な関係があります。子供の睡眠は大人の睡眠と違って未完成の状態にあり、発達しつつある子供の脳は睡眠も発達過程にあるからです。
大人の睡眠では脳波の変化で「レム睡眠」「ノンレム睡眠」の2種類に区別できますが、新生児や乳児はまだ脳波の変化が出来あがっておらず、2歳以上になって大人のように2種類の睡眠が現れてきます。
幼児の睡眠リズムは大人と違って寝入り端に直ぐ深い睡眠に入り、一旦浅くなりますが深夜に更に深い眠りに入ります。
この2度目の深い睡眠が重要で、この時に脳下垂体から成長ホルモンが大量に分泌されます。
成長ホルモンには代謝を促進して身体の組織で傷んでいる部分を治す作用があり、成長期の子供には骨を伸ばして筋肉を太く強くする作用があるのです。
睡眠中の成長ホルモンの分泌は生後3ヶ月の頃から始まりますが、熟睡期に集中して分泌される様になるのは4~5歳になってからです。
小学生から中学生にかけて子供の睡眠量は減りますが、脳や身体はまだ成長中で眠る事への生理的欲求はとても強いものがあります。
更に思春期には性的な成熟が急速に現れ、睡眠中に性腺刺激ホルモンが脳下垂体から分泌されて、卵巣や精巣に働きかけます。
子供が充分な睡眠を取れ無いと身体や脳の発育を妨げる事になるので、就寝時間を一定にして早寝を心掛け真夜中のホルモン分泌を外さない様にしなけれぱなりません。
子供の現代病と言われている側弯症は、単に姿勢の悪さや腰痛から来て原因を除けば治る物もありますが、先天的に骨に異常がある場合や、脳性麻痺、筋無力症、筋ジストロフィー等神経や筋肉の病気が原因の物もあります。
原因が分かっている側弯症は20~25%位ですが、それ以外は「特発性側弯症」と呼ばれ、ずっと原因不明でした。
しかし最近の研究によると特発性側弯症は脳の松果体ホルモンのメラトニンが関係している事が関係しているのでは無いかとも言われて久しいです。
特発側弯症は10~15歳の頃の思春期に約80%が発症、特に女子に多くて男1に対し女8の割合です。
最初は軽い背骨の曲がり程度ですが、成長と共に進行して捻じれが加わると胸郭が変形し片側の肋骨が背中に突き出て、左右の肩や肩甲骨の高さが違って来ます。
更にひどくなると肺活量が滅少し、肺や心臓の合併症を引き起こしたり、生涯背中や腰の痛みに脳まされる事になります。
従来であれば矯正体操や水泳などで自然の経過を観て、半年に弯曲が5度以上も進む様なら矯正装具(コルセット)をし、更に側弩がひどくなれば手術による矯正しかありませんでした。
研究の結果この様に進行の早い患者は睡眠中の血中メラトニン量が少ない事が判明、毎晩メラトニンを服用する事で進行が抑えられ、あるいは改善する例もあり、その後の解明が未だ進みません。
遺伝的要素、ホルモン、中枢系の異常等他、諸説がありますがそれが断定するとも言えず更なる研究が進められているのですが今後に期待する状況です。
ADHD(attention.deficit/hypr.activity/ disorder)とは、注意欠陥多動性障害等と訳されている疾患で、落ち着きが無く、注意を集中出来ない事と過剰な活動が特徴の障害です。
症状は「不注意」、「多動」、「衝動性」が特徴で、そのどれかのタイプであったり、混じり合ったりしています。
アメリカ精神科医協会の診断基準では、以下の様な症状が高頻度で6ヶ月以上続く事とされています。
勿論その子の年齢の発達程度に比較して、と言う事は言う間でもありません。
また学習上の困難さや行為障害、反抗挑戦性障害も合わせて見られる様です。
この様な障害を持つ場合、特に家庭の躾や親の愛情のせいにされる事が多いのですが、それは間違いです。
ADHDの原因ははっきりとは分かっていませんが、脳に何らかの機能不全が起こっているらしく、特にドーパミンやノルアドレナリンの不活性、セロトニンの障害が起こっていると考えられています。
大体5~7歳位までに症状が出る事が多く、女子より男子に多く起こります。
学齢期では3~9%の発症頻度です。アメリカではかなり積極的に投薬による医療が行われていますが、日本ではこの疾患自体が正しく認識されていません。
年齢と共に多動は少なくなりますが、気分障害や精神医学的状態が合併してくる頻度も高いので、周りの理解や良い環境を整える事も大切です。
「不注意」のタイプ
1.不注意なミスをする
2.注意を持続するのが困難
3.人の話が聞け無い
4.するべき事をやり遂げられない
5.課題を順序だって出来ない
6.努力が必要な課題を避けたり嫌がる
7.必要な物をよく無くす
8.気が逸れやすい
9.忘れっぽい
「多勧性」のタイプ
1.落ち着か無いでじっとして居られ無い
2.教室等でよく席を立つ
3.不適切な状況で走り回ったする
4.静かに遊んだり出来ない
5.しゃべり過ぎる
「衝動性」のタイプ
1.質問が終わって無いのに答えを口走る
2.順番が待て無い
3.他人を妨害したり邪魔する
子供の骨は大人に比べ弱く、一寸した弾みで折れますが、骨の付きが良いので大体、大人の3分の1の日数で洽ります。
子供の骨折で注意が必要なのは、骨端と骨幹の間にある成長軟骨帯ぐ(骨端線)と言う部分を含んだ骨折です。
この部分では軟骨が作られて、その軟骨が骨組織に変化して骨は伸びて行きますが、この軟骨帯を含んで骨折した場合に整復が上手く行われないと、骨の発育が止まったり、骨の伸びる方向に変化が現れるのです。
例えば、上腕骨下端の外顆や内顆で起きる軟骨帯を傷付ける骨折の後遺症です。
上腕骨下端の外顆骨折では軟骨帯も含まれ、その部分の一骨折部位がズレない様に整復されないと、骨の成長は阻害され、内側が成長する為に外反肘になります。
これは手のひらを上にして肘を伸ばした時、肘関節から下の部分が外側に湾曲した物です。
肘の運動障害はあまり起こりませんが、成長と共に肘の内側を走っている尺骨神経が段々引っ張られ、小指の痺れ、麻痺、筋肉の萎縮等尺骨神経麻痺が起きて来るので、後遺症が重い場合は手術になります。
また、内顆骨折の場合は逆に内反肘になり、この角度が20度以上、内側に湾曲する場合は運動障害が出るので、外科的手術が必要になります。
成長過程の子供の手足の関節部分における成長軟骨帯部分の骨折は、整復が上手く行われ無いと後遺症が出るので注意が必要です。
子供が訴える痛みで最も多いのが腹痛で次が頭痛です。どちらも広い意味で心身症の周辺疾患の場合が大変多いと言われています。
心身症の腹痛は反復性腹痛と言って3回以上、3ヶ月以上に渡り反復します。子供の10%前後に見られます。
原因不明の場合が多く、元々消化器系が弱く、性格的にもストレスに弱い為に消化器系の症状として現れます。
勿論、器質的疾患や起立性調節障害等でも起こりますから診断が必要です。
幼児期からこの症状は現れますが、思春期頃には約30%は改善していきます。
しかし、それ以降にも長期的に腹痛が続く場合は、過敏性大腸症候群の症状が出て来やすい傾向があります。
また頭痛は風邪をひいても、眼精疲労、虫歯でも起こる症状です。しかし原因が分からず、かつ反復性の頭痛は心身症の緊張性頭痛と言えます。
精神的な緊張感により持続的に頭部の筋肉や筋膜が緊張するため、肩こりや首のだるさが伴います。
また、この他の痛みで多いのは外傷、突き指、骨折、脱臼等や運動のやり過ぎによる筋肉痛や関節痛等もあります。
関節や筋肉の痛みの中に、成長痛と呼ばれている物があります。
10歳位までに起こり、検査しても異常が無い物を成長痛と呼んでいます。
この成長痛は神経質な子供に多く、実はこれも心身症の一つの症状と言われています。
この特徴は夕方から寝入りばなが多く、下肢に症状を表す事が特徴です。
この様に子供の痛みの背景には、未成熟な心の葛藤による場合が多くある事に留意する事が大切です。
アメリカ精神医学会の診断基準 (DS-Ⅳ)ではうつ病の症状として9項目挙げています。
抑うつ気分、興味・喜びの減退、食欲障害、睡眠害、焦燥感あるいは行動制止、易疲労感・気力減退、無価値観・罪責感、集中困難・決断困難、自殺観念で、このうち5項目以上あればうつ病としています。
この診断基準は子供にも適応する事が主流になっています。
しかし子供の場合、抑うつ的な状態や気分を言語的に表現する事が難しく、表情、態度、行動、身体症状等で表す事が多くなります。
時期によってその現れる形が違います。幼児期では遊びが単調、気が小さい、食欲不振や睡眠障害等が現れます。
学童期では、かんしゃくを起こしやすく、創造的な遊びが苦手で、友人も少ない傾向があります。
また夜尿症、爪噛み、性器いじり等のクセがみられます。
思春期では自殺について ほのめかしたり、物事に強く執着する、気分が変動しやすく、頭痛や腹痛等の身体症状をしきりに訴えます。
ただ、精神的に健康な子供でも抑うつ的になる事もありますから、これらの症状が必ずしもうつ病とは言えません。
思春期前までは男子が多く男女差が2対1ですが、それ以降は男女差はありません。
ほとんどのうつ病の原因は親子関係、対人関係等の心理的な要因や心的外傷(PTSD)等が挙げられます。
また、精神分裂病や抑うつ神経症による感情障害もうつ病に類似していますので素人判断せず、専門の児童精神科を受診する事が必要です。