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アレルギー - Part 2の記事一覧

抗アレルギー薬は予防薬

2020.11.22 | Category: アレルギー

アレルギーの即時型反応のlgE抗体が関わるI型アレルギーには花粉症や喘息やじんま疹、アトピー性皮膚炎等があり、対応策には原因となる抗原の防除や減座作療法や薬物療法があります。

選薬としては①I型アレルギー反応の中心である肥満細胞に作用して、症状の発現を抑える抗アレルギー薬(化学伝達物質遊離抑制薬)と、②発現している症状に対して速やかに効く対症薬があります。

①の抗アレルギー薬の薬理作用は、肥満細胞内のカルシウム・イオン制御によって、ヒスタミン等が遊離したり、ロイコトリエン等が合成されるのを防ぐ働きをします。

抗アレルギー薬は、ステロイド等の抗炎症性のある対症薬と違って作用が穏やかでゆっくりと効き、投与してから効果が現れるまで2週間はかかります。

だから花粉症予防の様に、アレルゲン飛散開始時期が予測出来る場合には、2週間前から快い始めて花粉飛散中は断統的に使えば、花粉症の全ての症状を軽くする事が出来るのです。

この様に症状の発現を前もって防ぐと言う意味から、抗アレルギー薬を予防薬とも呼んでいます。

抗アレルギー薬の一部には抗ヒスタミン作用があり、抗ヒスタミン薬よりも中枢抑制作用や抗コリン作用等の副作用が少ないのが特徴です。

有効性と安全性が高いと言われ、アトピー性皮膚炎や喘息や花粉症に、広く使用されています。

スギ花粉症

2020.11.21 | Category: アレルギー

花粉症は抗原とlgE抗体の結合による典型的な即時型アレルギー反応です。日本の花粉症の8割はスギ花粉症ですが、抗原としての花粉は50種以上あります。

60年代まで日本に花粉症は知られていませんでした。

戦後日本では・58年以降、天然林を皆伐して人工造林するという拡大造林政策の元で、スギ1種類だけが一斉に植えられました。

そして76年にスギ花粉症の最初の大発症が起き、以来何度も大発症しています。

年々スギ花粉のlgE抗体を持つ人が増え、子供の花粉症も増えています。

世界的にも「都市化」により花粉症の増加がみられ、花粉症の増加と大気汚染、特にディーゼル排出粒子との関係が深い事が分かっています。

マウスの実験ではディーゼル排出粒子に特異lgE抗体産生完遂作用のある事が確かめられました。例えば東京の多摩地区でスギ花粉が多い所よりも、花粉源から離れてはいますが大気汚染の多い大田区の方がスギ花粉症有病家が高いのです。

また都会の気密度の高い住居ではカビ・ダニ等が発生しやすく、花粉症患者の約40%がダニにもアレルギーを起こします。

花粉症には“減感作療法”という、薬によって予防する方法が最も効果的だといわれています。この方法は、数ヶ月から数年にわたって花粉症のアレルゲンを注射し続けるもので、約70%の患者に効果が認められています。

ですが、効果が表れるのには、個人差が大きいとされていて、絶対的な効果ということではないようです。

そこで“DNAワクチン療法”が開発され、今までの減感作療法より安定した成果が期待されています。

“DNAワクチン療法”とは、スギ花粉からアレルギーの元となる花粉のDNA(抗原遺伝子)を取り出して「プラスミド」というベクター(遺伝子を運ぶ箱)に組み込んで、花粉症患者の体内に送り込み、アレルゲンへの耐性を高めていく方法です。DNAワクチンは体内でアレルゲンが作られていく仕組みなのです。

ペットアレルギー

2020.11.20 | Category: アレルギー

最近は住宅事情から密閉構造の家屋で小型動物の犬・猫を飼育する事が多くなっています。

その為ペットの体毛や唾液、尿、汗等の分泌物やふけ等がアレルゲンとなってアレルギー症状を起こす人が増えています。

症状別では80%が気管支喘息を訴えます。特に猫のアレルゲンはダニより小さく、直径が2.5ミリミクロン以下の浮遊粒子です。

例えば掃除機で部屋を掃除してから20分後にアレルゲン量を測定すると、ダニ抗原は大きい為早く落下するので検出されませんが、猫抗原は数時間たっても空中を漂よっているのです。

実際に空気中から捕集されるアレルゲン量もダニ抗原よりも多いとされています。

その事を考えると、ダニよりも下気道へ吸入されるアレルゲンとしてはダニ以上に問題になります。

更に遅発型喘息反応で気道過敏性を起こすので、喘息が重症化、慢性化する危険性が高いのです。

ところで今人気のハムスター等のげっ歯類は、正常でも尿中に蛋白を排泄する事が多く、この尿蛋白が主要アレルゲンとなり、喘息の引き金となり、他のペット類より感作力が強い事が分かって来ました。

室内ではペットを飼わない方が無難ですが、もし飼育する場合は身体を洗う、部屋の掃除や換気、空気清浄機を入れる、床をフローリングにする等の工夫が必要です。

ゴムと果物

2020.11.19 | Category: アレルギー

ラテックスアレルギー患者における果物アレルギーの合併が問題になっています。

これはエイズの感染予防等でラテックス手袋の使用頻度が急激に高まった80年代後半から医療従事者の間で急増している物です。

植物には病原菌、傷害、化学物質等のストレスが加わると生体防御蛋白質と言う物質が誘導され、これが抗原になるのです。

ラテックスアレルギーは天然ゴム製品に含まれるラテックス抗原による即時型のアレルギーで、ラテックス製品の粘膜への直接接触やアレルゲンの吸着した手袋のパウダーを吸入する事で感作しラテックスアレルギー患者における果物アレルギーの合併が問題になっています。

これはエイズの感染予防等でラテックス手袋の使用頻度が急激に高まった80年代後半から医療従事者の間で急増している物です。

植物には病原菌、傷害、化学物質等のストレスが加わると生体防御蛋白質という物質が誘導され、これが抗原になるのです。

ラテックスアレルギーは天然ゴム製品に含まれるラテックス抗原による即時型のアレルギーで、ラテックス製品の粘膜への直接接触やアレルゲンの吸着した手袋のパウダーを吸入する事で感作します。

予防はパウダーレスの蛋白含有量の少ない物に替える事す。

このラテックスアレルギーの患者さんは果物や野菜に含まれる抗原と交差反応を起してアレルギー症状を引き起こす事があります。

通常のアレルギーは経口摂取した食物抗原により感作が成立し、その食べ物を食べるとアレルギー症状が出るのですが、ラテックスアレルギー患者では特定の果物や野菜を摂取すると交差反応を起して、口腔や咽頭、口唇の腫脹や搔痒感等をきたします。

バナナやアボガド等の果物や花粉や薬草とも交差反応を起す事が知られています。また交差反応検査時に特定の果物のlgEが陰性でも、その果物を食べると突然、交差反応を起す事があります。

蕁麻疹とアレルギー

2020.11.18 | Category: アレルギー

蕁麻疹はよく起こる病気ですが、実はその原因が明らかなのは急性蕁麻疹の20~30%、慢性蕁麻疹は5%以下で、後は原因不明の物が多い病気なのです。

例えば鯖アレルギーは知られていますが、それでも鯖の鮮度によるアレルギー原数値ばかりで無く自身の体調によって出たり出なかったりします。

蕁麻疹は、膨疹と呼ばれる皮膚の局所性の浮腫が出現して、その周りに赤い斑(紅斑)が形成されている状態をいいます。

大体、24時間以内に、多くは数時間で紅斑だけが残り、この紅斑も24時間以内に消失するのが普通です。

しかし、それが暫く繰り返し出没して慢性化する事があります。この蕁麻疹が声門部に起こると、呼吸困難になる事もあり、油断は出来ません。

また、蕁麻疹が皮膚の中でなく、皮下脂肪組織に起こると、皮膚に大きな腫脹が出て来る事もあり、特に口唇や眼瞼等に出現するものを「クインケの浮腫」と言います。

また、風邪等の上気道感染症に引き続いて蕁麻疹が発症すると慢性的になりやすく、

歯周囲炎や副鼻腔炎、扁桃炎等も症状を長引かせる事があります。

蕁麻疹というとアレルギー反応と考えがちですが、本態性の蕁麻疹はアレルギー反応では無く肥満細胞のヒスタミン遊離で起こる事が知られています。

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