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免疫は第六感

2019.10.10 | Category: 免疫

生体の恒常性を維持するシステムとしては神経・内分泌・免疫の3つの系が挙げられます。従来はこの3系は独立の系として考えられていました。神経系は感覚・認識・情動・運動を司り、内分泌系は物質代謝・生殖を調節し、そして免疫系は病原体等の異物の排除でした。しかし、最近この3系は相互に共同しながら統合して生体を調整して働いている事が明らかになっています。このような考えとして免疫系も一種の感覚器官であり、臭、視、聴、味、触の五感に次ぐ第六感目の感覚系であると大胆に提唱したのがブラロックです。それによると外部からの刺激は、通常の感覚器で認識可能であれば、その刺激が生体にとって危険であると認識すると、そのシグナルの一部は視床下部・下垂体を刺激しホルモンを分泌させ、更にホルモンがリンバ球にも働き免疫応答に変化をもたらします。一方、通常の感覚器で認識されない刺激は免疫系によって認識され免疫応答を起こします。この時リンパ球は抗体やサイトカインばかりで無く各種のホルモンや神経伝達物質を産生しうる事で、神経・内分泌系に働き、免疫系以外の生理学的な反応を引き起こしています。サバアレルギーの人がサバを見る(視覚)だけでアレルギー反応が起こる事も免疫系が感覚器の一つである例であると言っています。


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