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ストレスと免疫

2019.10.06 | Category: 免疫

ストレスは大脳辺縁系→視床下部→下垂体→副腎へとホルモンを通じて伝えられ、副腎は最終的にコルチソールを分泌して免疫を落とします。これがセリエのストレス学説です。体が危機に直面した場合免疫を落とすのでは無く高めた方が良さそうにも思えるのですが、体はまず神経とホルモンとでストレスに対処します。エネルギーを沢山必要とする免疫はとりあえずストップさせるのでしょう。ところで視床下部から分泌される副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRH)は下垂体に働きかけるだけでなく脳内ホルモンであるエンドルフィンの生成も刺激しています。エンドルフィンは免疫系ではT細胞を増やしたり活性化させ、更にナチュラルキラー細胞やマクロファージの活性も高めます。視床下部から放出されるホルモンは9種類で、その内CRHも含めて5つが免疫に直接作用する事が分かっています。また交感神経の興奮で副腎髄質からアドレナリンが分泌しても免疫の反応は高くなります。この様にストレスは多くのルートで免疫に作用する訳で、免疫に対してもプラスに慟いたりマイナスに働いたりと、一様ではありません。ホルモンや神経伝達物質がリンパ球でも作らていますし、体は神経・内分必・免疫の各系で同じ物質を使っている事が分かって来ています。正に神経とホルモンと免疫は三位一体の関係にあると言えます。


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