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抗体産生とB細胞

2019.10.03 | Category: 免疫

免疫系の重要な仕事に抗体の産生があります。自然界には多数の抗原物質を持つ病原体があります。この抗原と抗体は良く比喩的に鍵と鍵穴に例えられますが、この鍵と鍵穴の関係は抗原と抗体の分子全体についてでは無く、それぞれの分子が特徴的に持つアミノ酸数個分に相当する部分によって成り立っています。この抗体を産生する為には抗原提示細胞、T細胞それにB細胞等の免疫系の細胞が協力して働きます。抗原提示細胞が異物の侵入を確認してT細胞に情報を伝えると、T細胞が抗原のと、その指令を受けたB細胞が分化して形質細胞(抗体産生細胞)になり、その情報のアミノ酸分子を合成・分泌します。しかし、この抗体を作る能力は人の遺伝子で見るとせいぜい数万個程度しか無いのに、億単位の違った鍵穴を持つ抗原に対抗出来る事が謎でした。この謎を解き明かしたのがノーベル賞を受賞した利根川進です。彼は抗原の鍵穴であるレセプターと結合するB細胞の鍵は単一の遺伝子では無く、複数の遺伝子の断片が結合している事を明らかにしたのでした。その為ランダムに一つ選ばれて結合するのでその組み合わせは膨大になり、億単位の抗原の鍵穴に対する鍵を作る事が可能になったのです。


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