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変異原対p53

2019.09.20 | Category: 遺伝子

常遺伝子にダメージが加わると細胞の寿命や増殖をコントロールする蛋白質が異常になり、その為細胞が癌化してしまう事があります。遺伝子が変異を起して細胞が異常になる原因は沢山ありますが、それらを総称して変異原と言います。変異原は明らかにされた物を数え挙げたらキリが無い程ありますが、大きく分ければ化学的、物理的、生物学的の三つの因子に分けられます。化学的な物としてはアスベスト、アフラトキシン、ベンッピレン等があります。物理的な物はX線、紫外線、放射線等です。生物的なものは肝炎ウイルスやヒトパピロマウイルスやピロリ菌等かあります。どの変異原も細胞に取り込まれると、核の中にまで侵入して、そこのDNAにぷつかりダメージを与えます。しかし、このダメ-ジに対して直ぐには変異は起こりません。そこにDNA修復酵素を出す遺伝子があるからです。この遺伝子が癌抑制遺伝子として知られているのがp53遺伝子です。遺伝子は第17番染色体の短腕にあり、そこから作り出される修復酵素はDNAに異常が無いか常にパトロールして、異常を発見するとその複製をストップさせます。そして自ら大量に酵素を作りDNAを修復します。修復が効かない程のダメージがある時は自殺(アポトーシス)を指令する正にDNAの守護神なのです。

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