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質的変化をはかる

2021.06.19 | Category: リハビリ

神経麻庫には末梢神経麻痺と中枢性麻痺があり、その回復過程は前者では筋力を上げるという事で量的変化であり、後者では巧緻性や動きを良くするので質的変化(および量的変化)と言われています。

片麻輝の運動障害(運動麻痺)は中枢性麻痺ですが、その回復過程には正常では見られ無い共同運動パターンと言う異常な筋肉の運動が四肢に出現します。

例えば屈筋共同パターンがあると腕を曲げようとすると、肩、肘、手関節が屈曲状態になってしまい、肩あるいは肘関節だけを伸展する事が出来ないのです。

この運動パターンの特徴は屈筋共同パターンと伸筋共同パターンの基本的な二つパターンです。

この運動は正常な新生児に特有に見られる原始的な脊髄レベルの反射、反応の運動統合の現れと考えられています。

随意的な動きが少し入っているのですが、-定の固定したパターンの動きしか出来ないので不随意的と言えます。

回復過程では一旦その運動パターンが主体となりますが、回復が進むにつれて異常な現象が弱くなり、徐々に随意性の高い状態に戻って行くのです。

しかし、中枢性麻痺を放置したり、誤った訓練をすれば異常な共同運動パターンが強化され質的に向上されません。

例えば屈曲パターンの状態でバケツを持ち上げる訓練をすると屈曲運動が強化され、腕の伸展運動に障害が出て、回復過程から遠ざかってしまうのです。

向上する為には、その回復する過程で出現した共同運動パターンを、反射運動等の神経生理学的理論を用いて、障害された神経、筋機能を再調整し、出来るだけ円滑に正常な随意性の高い運動にする為のリハビリが行われます。


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