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全身性廃用症候群

2021.06.19 | Category: リハビリ

安静が続くと、筋肉や関節等の局所的な廃用症候だけで無く全身性の廃用症候が起こります。

その申で最も注意すべきなのは起立性低血圧で、言ってみれば立ちくらみのひどいものと言えます。

普通健康な人は起きあがった時でも姿勢血圧調節反応によって頭の方にも充分血液が流れる様な調節機能が働いていますが、畏く寝ている状態が続くとこの機能も弱くなっていきます。

しかも立ちくらみの様に急激な貧血状態が起こるというより、座っていても血圧が少しずつ低下して非常な疲れとして感じられる等の症状が多いのです。

長く寝ていた後等座っているだけでも非常な疲れを訴える場合、筋力の衰えのせいだけでなくこの起立性低血圧である事が多いのです。

起立性低血圧を防ぐには1日4時間以上、座る姿勢も含めて身体を起こしている事が必要です。

また血圧調節機能に限らず心臓の機能も落ちていきます。心臓の機能の低下では1回拍出量の減少が顕著で、ちょっとした動きでも動悸がする様になり、この場合も非常に疲れやすさを感じます。

肺の機能低下では呼吸する力が弱くなったり、痰が溜まり易く排出する力が弱くなる為肺炎を起こしやすくなります。

こうした全身性の廃用症候群を予防するにはまず座る事が大切です。

座るという動作は寝ている事と変わらないと考えがちですが、心肺や血管の廃用症候群から守る為には大変必要な事です。

ベッドの背を持ち上げるだけでも座る事の第一段階として有効ですし、ベッドの端等に座る端座位は立ち上がりの前段階として必要なのです。


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