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死後硬直

2021.06.19 | Category: 骨格筋

人が死んだら間も無く筋肉がこわばり、関節等が動かせ無くなります。いわゆる死後硬直とか死体硬直と言われる現象です。

死直後の筋肉は一旦弛緩しますが、死後硬直は2時間位で起こり始めて6~8時間で全身に及びます。

普通頭や顔面から起こり、上肢から下肢へと起こって行きます(ニステンの法則)が、CO中毒や衰弱死等の場合はまれに下肢から上肢へと起こる事もあります。

最も強く硬直するのは10~12時間位で、それが48時間ほど続き、その後は硬直が無くなる緩解と呼ばれる状態になって行きます。

この変化は気温等環境の状態や筋肉質かどうかの違い等に影響されます。

死ぬ時に激しい筋肉疲労や緊張などがあると硬直が速くなります。

弁慶の立ち往生等と言うのは即時性硬直とか強硬直性硬直等と呼ばれ、死亡と同時に急激に死後硬直が起こった物です。

さて死後硬直は筋肉が収縮して硬くなるのではありません。

生きている筋肉は伸縮に必要なエネルギーをATPから得ていますが、死亡するとそのエネルギーが滅少し、その結果筋線維のアクチンとミオシンが不可逆的に結合してしまうのです。

その後腐敗が起こり、筋肉内の蛋白結合が破壊される為に緩解が起こり死後硬直は無くなってゆきます。


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