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呼吸と筋肉

2021.06.19 | Category: 骨格筋

内臓は自律的に動いていますが、例外的に肺臓だけは骨格筋の力を借りなければ呼吸運動が出来ません。

この肺は元々発生の過程で内臓由来の鰓腸(さいちょう)の壁が少しづつ膨らんで行き、風船玉の様になって、その壁の内臓筋はほとんど機能出来無くなり肺自体が伸縮出来無くなった為なのです。

これの肺が出来て行く過程は海から陸に上がる進化の過程と一致しています。

ですから陸上の動物は、頚から胸にかけての骨格筋を代替的に使う事になったのです。

この運動を円滑にする為に胴体を膨らませて内部に陰圧を作り、これによってスムーズに空気を呼び入れて、次ぎに胴体を収縮させて陽圧を作り、肺の弾力性によって空気を追い出す様に変わって行ったのです。

哺乳類は更に胸郭自体を広げたり、収縮させて、つまり肋骨が内外の肋間筋によって上下する胸式呼吸と横隔膜を上下させる腹式呼吸が出来る様になったのです。

胸郭を広げる筋肉群として胸鎮乳突筋、大胸筋、小胸筋、僧帽筋があり、胸郭を下げる筋肉として外腹斜筋、腹直筋等があります。

また腹式呼吸の横隔膜は胸郭の下に位置していますが、支配神経は頚神経です。

これは横隔膜が頚部に発生し、それが発生の途中で下降した事を示してます。

ですから、横隔膜は骨格筋由来の物なのです。慢性的な肩こり等で胸郭の運動が悪くなると呼吸に影響を与える事は当然の事です。

ですから現代人は腹式呼吸をしっかりマスターする事が大切な訳です。

特に女性の方は子宮もあり腹腔の容積が小さいので胸式呼吸が多く、ある程度修練しないと身に付きません。


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