- Blog記事一覧 -うつ病と消化器症状
一般にうつ病の身体症状の訴えとして、最も多いのが睡眠障害ですが、倦怠感・易疲労感、首・肩のコリ、頭痛・頭重態の順で訴えがあります。
また臓器別系では、当然ながら自律神経失調が伴いますから、消化器系が最も多く、次ぎに循環器系、呼吸器系と続きます。
この消化器系の症状として、ほとんどのうつ病患者が訴えるのが食欲不振です。
また、体重減少、便通異常(主に便秘)、ガス症状、吐気、咽喉・食道の違和感、腹痛、胃部不快感等があります。
これらの症状を引き起こす背景に倦怠態・易疲労感等の精神運動停止である決断力低下やとりかかり困難等があるのです。
この様な状態の中で特に中高年の家庭の主婦の場合、食欲不振や消化器症状が常にある為に料理を作る事は拷問に等しい苦痛となります。
ですから起きて朝食を作る事が困難になりますが、身体が動けるのに朝飯すらできないという風に、周囲は怠け病と思いがちです。
この様なケースではなにより家族の理解が大切になるのです。
これらの消化器症状は心身症でも同じ様にでますが、うつ病の場合は感情障害が必ずある事と、全身性である点が限局性の心身症とは違います。
また、心身症でよく知られている胃・十二指腸潰瘍はうつ病でも合併する事が知られています。
うつ状態になる前の前駆症状として出たり、うつが軽決すると潰瘍が悪くなるという事も興ります。
また、様々な不定愁訴を起こす自律神経失調症の中にうつ病が紛れ込んでいる可能性がありますが、自律神経失調症即ちうつ病という関係ではありません。