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ダイオキシン

2020.01.31 | Category: 内分泌

当初ダイオキシンは胸腺や脾臓の萎縮、肝臓障害、催奇形性や発癌性などの猛毒性で注目されました。しかし最近大きな問題となっているのは内分泌かく乱物質としてのホルモン様働きで、今やダイオキシンは代表的な環境ホルモンと言えます。環境ホルモンと言えばエストロゲンの様な働きをする化学物質だとする認識が一般的ですが、ダイオキシンはエストロゲン様の作用をする物質ではありません。むしろ女性ホルモンを阻害する方向に作用します。つまりダイオキシンは身体由来の女桂ホルモンを代謝して体外に排泄させやすくしたり、女性ホルモンの受容体を減らす事で、正常な女性ホルモンが十分に働か無くさせるのです。その為女性で卵巣機能が減退したり、子宮内膜症を引き起こしたりします。男性の場合、男性ホルモンを合成させるのは下垂体から分泌される女性ホルモンの一種なのですが、ダイオキシンはそれらの女性ホルモンの分泌を抑えるため男性ホルモンも作られず、結果的に女性ホルモンに似た作用をしてしまっのだと考えられます。また甲状腺ホルモン濃度にも影響を与え、成長遅滞、知能指数の低下、ペニスの短小化などが起こる事が確認されています。ダイオキシンのホルモン様作用はまだ分からない事が多いのですが、下垂体に影響を与える事が分かっており、つまりは性ホルモンや甲状ホルモンだけで無くホルモン全体を撹乱する事が考えられます。


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