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複合汚染

2020.02.01 | Category: 内分泌

現在のところ内分泌かく乱の単一合成化学物質は約70種類あるといわれていますが、まだまだこれから研究が進むにつれ確実に増えて行きそうです。現在はホルモン受容体との結合力が弱い合成化学物質は人間には影響が無いとみなされ、未だに殺虫剤やシロアリ駆除剤として一般に市販されています。ところが、最近の研究で安全と考えられていた化学物質に疑いが出て来たのです。例えば有機塩素系の殺虫剤のデイルドリン、トキサフェン、エンドサルファン等も女性ホルモンに似た作用がある事は分かっていたのですが、エストロゲン受容体との結合力は天然の女性ホルモンに比べて1万分の1以下である為、たいした影響は無いとされてきました。ところが二種類の殺虫剤を混ぜると、その作用は1000倍に強まる事が明らかになったのです。またシロアリ駆除剤のクロルデンも他の殺虫剤と組み合わせると作用力が強まります。現在合成化学物質は10万種を超えているといわれ、年々新しい合成化学物質が生まれています。これらの組み合わせはまさに天文学的な数値になります。環境汚染や公害の時に言われた「複合汚染」が環境ホルモンでも起こっているわけで、更に深刻な事態になりそうです。


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