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高齢者の感情を作る物質

2019.11.07 | Category: 感情

意欲は視床下郎が、感情は大脳辺縁系が、知能は前頭葉と側頭葉が担い、これらの働きが協調し合って人間らしい感情を生み出しています。そしてそれらを刺激するのが神経伝達物質で、主なものはドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなどです。脳幹のA系列から出ているA10神経はドーパミンを分泌するのですが、このA10神経は脳幹から視床下部、大脳辺縁系、前頭連合野と側頭葉へと伸びる精神系だけを通っている特異な神経です。ドーパミンは快感を強くもたらす物質で、これら通り道の脳の各部に快の刺激を与えながら人間らしい情動を作っている訳です。ドーパミンが分泌きれると、心地良くくつろいだ様な気分の快感を生じますが、強いエクスタシー的な快感ではありません。その為、人間ではやる気の源にもなっています。ノルアドレナリンはこのドーパミンを酵素によってちっと変えるだけで作られるものですが、怒りのホルモンとも言われる様に怒っている時に多量に分泌されます。またセロトニンは最近になって情動に関しているらしい事が分かってきた物質で、B系列の神経から分泌され、A系列で生じた快の気分や怒りを鎮まらせる働きをしています。これらの神経伝達物質がうまく分泌されなかったり、分泌されても上手く取り込まれなかったり、処理されない場合に感情障害をもたらすのです。精神分裂病にはドーパミンが、セロトニンは鬱病と関係している事も分かっています。


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