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脳血管障害で倒れた後、そう言えばあの時その徴候があった、と言う場合があります。
又その徴候に気が付かないまま発作の可能性を抱えている場合もあり、脳血管障害の徴候を見逃さない事はとても大切です。
脳血管障害が疑われる時、次の事項を患者さんに確認すべきです。・身体の片側や一部に筋力の脱力があるか(筋力低下)?
・片側や一部が鈍くなってたり感覚の異常があるか?
・視力や視野に異常があるか?
・言葉を発し難かったり、理解出来なかったりしないか?
・ふらつくか?
・ろれつが回らなかったり嚥下障害はないか?
・痙攣や意識障害があるか?
・頭痛はあるか?
等が危険のめやすになります。
また既往症や家族歴も手がかりになるので、・高血圧・糖尿病・高脂血症・心疾患・不整脈・喫煙等を確認すると共に家族にその様な疾患の人が居るかどうかが参考になります。
一過性の脳虚血発作とは24時間以内に症状が消えるものですが、ほとんどは10秒から15分以内で、局所神経症状が表れるものですが、紛らわしいものに偏頭痛や低血糖、順位変換での回転性のめまい(良性)などがあります。
比較的軽症で、発作から3日以上経っていて、病状の変化がほとんど無い場合は緊急性は少ないと言えますが、なるべく早く受診するよう勧めるべきです脳血管障害が強く疑われる場合、救急医療が必要なのは勿論です。
男の厄年を過ぎた45歳から50歳代は、仕事の責任も重くなり、家庭でも色々な問題が発生して精神的な重圧は益々高くなります。
また、この頃から男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が徐々に低下する事で、ホルモンバランスが崩れ、それが引き金になって、様々な不定愁訴が引き起こされます。
主な症状としては顔がほてる、のぼせる、汗をかく、動悸がする、めまいがする、頭痛、肩が凝る、手足がしびれる、腰が痛い、眠れない、気分が滅入る、イライラする、集中力が無くなる、忘れっぽくなる、性欲が減少する等です。
この年代の男性にとって仕事は第一ですが、この様な不定愁訴が出ると仕事から脱落するのでは無いかと言う不安から不安神経症になったり、しばしば死の恐怖、動悸、呼吸困難と言った不安発作が見られる事があります。
この不安定な精神面から不眠になる事もあります。
またこの年令は酒量も徐々に増える傾向にあり、高血圧、糖尿病と言った病気になって行くケースがあります。
更にテストステロンの減少にあわせ50歳を超えた男性の4人に1人は前立腺肥大症が現れ、残尿感、頻尿といった排尿障害が表れてくるのです。
この年代はまさしく男のクライシス(重大局面)と言えるのです。
脳と神経系にとって最も重要な栄養素は、燃料となるブドウ糖です。
脳にブドウ糖が安定して供給されないと、疲労・いらいら・めまい・不眠・集中力低下・物忘れ・うつ症状・情緒不安定・かすみ目といった不定愁訴が現れます。
脳に必要な物がブドウ糖なら、ブドウ糖と果糖で出来ている砂糖を摂れば、効率よく利用されると思いがちです。
実際、その様なCMがテレビで放映されていましたが、砂糖のように純度の高い精製炭水化物を頻繁に摂ると、かえって脳の働きが悪くなるのです。
脳にブドウ糖を安定的に補給する為には、血液中にいつも一定の値のブドウ糖が含まれなくてはならず、血糖値は常に監視されています。
身体はあらゆる食物を消化吸収してエネルギーに換え、余ったものは貯蔵グリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄え、必要な時にいつでも取り出せるようにしています。
砂糖を始めとしてハチミツや精製された小麦で作られたパン・ケーキ・クッキー・菓子類やジュース等は、加工の過程で吸収されやすい単糖類に変わっているので、消化を余り必要としません。
食べるとすぐに糖類が血流に入り、血糖値が急速に上がりますが、身体は血糖があふれるのを避ける為に血糖値を下げようとして、膵臓からインスリンを分泌します。
すると血糖値は反動で低くなり過ぎて食後1~3時間はかえってエネルギーが落ち込みます。
いつも菓子やケーキ等の精製炭水化物食品を食べていると、糖不耐性と言って血糖値を安定に保つ事が出来なくなり、かえって脳が栄養不足状態に陥ってしまうのです。
砂糖の摂り過ぎで起こる不定愁訴を砂糖病(シュガー・ブルース)といいますが、こんな症状が出たら、食生活を振り返ってみるのも大切かもしれません。
天気によって不定愁訴が表れる事はよく耳にします。
特に温度や湿度の極端な変化や季節の変わり目、低気圧が通過する時等に神経痛、胃腸障害、頭痛、腹痛、月経異常等が表れたりします。
これらの自然現象で起こる不定愁訴は天気が好転すると治まりますが、厄介なのが夏季の冷房のかけ過ぎによって起こる不定愁訴です。
かなりの人が悩んでいるのですが、オフィスや乗り物、デパートや飲食店の冷房は暑がりの人や代謝の良い若い人に合わせて設定されている為に温度が低めです。
また何度も出入りを繰り返すと、身体の体温調節が上手く行かなくなり、それによって全身の倦怠感を起す事もあります。
それでは冷房がいけないかと言うと、そうとも言いきれません。高温多湿の日本の夏は、身体が消耗しやすく、眠りも浅くなり、食欲も減退してしまう嫌な季節です。
昔から「夏バテ」「夏痩せ」という言葉もある程です。この様な夏の暑さから身体を守る為に、エネルギーを使い過ぎない様に体内の代謝量を低下させているのです。
ですから、身体は疲れやすいので昔からお盆休みや夏休みがあるのです。このような季節を乗り切る為には冷房を上手く利用する事も大切なのです。
個人差はありますが、27度前後が適温だと言われています。
室内の温度に肌寒さを感じない程度が目安になります。また「夏かぜ」の原因として室内の空調がありますので、ハウスダストには注意が必要です。
更年期の時期に、更年期障害とよく似た症状が出る病気に慢性甲状腺炎(橋本病)があります。
自己免疫疾色の一つで免疫細胞が甲状腺を標的に攻撃する為甲状腺機能が徐々に低下して行き、甲状腺ホルモンが滅少して行きます。
同じ甲状腺の自己免疫疾患でも機能が亢進するとバセドウ病ですが、慢性甲状腺炎の方が数的にも多く、症状も他の病気と紛らわしかったりするので見逃されやすいので注意が必要です。
甲状腺ホルモンは新陳代謝を活発にするホルモンですから、これが不足すると体温が低くなって寒がりになり、皮膚は乾燥してカサカサで粉をふいた様になります。
心臓の鼓動も減り、便秘になります。
更に甲状腺ホルモンは精神の活動にも影響を与えている為気力が無くなったり、動きも鈍くなって来ます。
その為うつ病と間違われる事もあるのです。
また体内のあらゆる物質の代謝がゆっくりになっていますから、コレステロールの分解が遅くなり、高コレステロールになりやすくそれが動脈硬化や高血圧にも結び付いてきます。
甲状腺の機能低下はゆっくりと進み、一つ一つの症状は老化に伴う些細な物と見られる為、高齢者の場合は余計に見逃される恐れがあるのです。
上記のような不定愁訴も、更年期障害や老化の兆候としてだけで無く、甲状腺機能低下の可能性も考慮する必要があります。
中高年になってからは普段余り運動をしないと言う人は、少し激しく体を動かしただけで息が荒く心臓の動悸がなかなか治まら無かったりしますが、これは加齢による体力低下で心配の無い物です。
また運動していない安静時、心臓に「ドキン」「ドドドッ」「脈が飛ぶ」といった症状があると誰でも不安になりますが、こう言ったたまにある期外収縮による不整脈も多くは放置して置いても大丈夫です。
この種の不整脈の回数が正常の脈拍の10%以下なら全く問題なく、若い女性や神経質で完璧主義の人に出やすい傾向があり、ストレスが多い人にも見られます。
回数が多く息苦しいと言う場合は、念のため検査をした方がいいでしょう。
また動悸や息切れが起こるので病院で検査をしても何の異常も見つから無いと言う場合、よくあるのが更年期に多い自律神経失調症によるものです。
のぼせやほてり・発汗を伴うなど、人によっては毎日朝晩問わず症状があり、多くの場合は更年期の割と早い時期に起こって一定期間を過ぎれば良くなります。
日常生活に支障がある様なら、漢方療法・自律訓練法等が有効です。
風邪を引いた時、特にインフルエンザにかかって1週間位の間に、心臓がドキドキし息苦しいといった症状が現れたら要注意です。
インフルエンザのウイルス感染によって起こる急性のウイルス性心筋炎で、ショック状態や失神等の危険な状態になる場合もあります。
軽く済んで治ったように見えても、不整脈が後遺症として残る事があるのです。
更年期障害というのは閉経前後の時期に、器質的な原因が見当たら無い様な不定愁訴を中心とした症候群と言う事が言えます。
自律神経症状や精神症状が絡み合って表れるので、これらを区別するのは難しい所があります。
こうした更年期障害の度合いを指数にして評価する方法はいくつかありますが、この調査票は日本人女性に即した調査票になっており、筒単なので患者さんの状態を把握する助けになるものです。
合計点が25点以下なら異常無し、50点を超えたら更年期障害、66点以上であれば受診が必要と見なされます。
患者さんにも診る側にとっても症状を客観的に捉える事が出来る上に、受診前と受診後との比較も出来ます。
ただし、症状の強度が非常に強くても症状の種類が少ないと点数も低くなるので、その点では注意が必要です。
血液が酸性の状態(アシドーシス)になるのは、過労に陥った時、あるいは細胞が老化した時です。
要するに身体の老廃物が血液に沢山含まれている状態といえるでしょう。
当然、不定愁訴も出て来やすいと言えます。ところが、このアシドーシスは食べ物の影響で一時的に表れる事があります。
砂糖、あんこ等の糖類、肉類等の蛋白質、いわゆる酸性食品を沢山食べると血液は酸性に傾きます。
この状態では骨や歯のカルシウムが血液中に溶け出て来る事も明らかになっています。
ですから血液を酸性にする様な偏った食事を常に摂っていると倦怠感等の不定愁訴も出て来やすい事になります。
食事の方はいわゆるアルカリ性食品と言われている新鮮な野菜や海藻や柑橘系の果物をバランス良く摂る事で血液を酸性にしない様にする事が必要な訳です。
血液がアルカリ性の状態(アルカローシス)は休息を充分に取った時、また細胞が若い状態の時と言われています。
血液がこの状態であれば不定愁訴は起きにくいのです。
アルカリイオン水と言う物がありますが、厚生省が承認している医療用物質生成器で作られたアルカリイオン水の効能には、胃酸過多、消化不良、慢性下痢、腸内異常発酵の予防としていますので、血液をアルカローシスにする事は不定愁訴の予防になる訳です。
最近、睡眠にまつわる不快を訴える人が多くなっています。
日本人の睡眠障害に関する調査によると、不眠は男性で17.3%、女性で21.5%にものぼります。
また睡眠の質の悪さでは男性17.8%、女性20.2%と、5人に1人は睡眠障害を抱えて睡眠薬の使用率男性3.5%女性5.4%という結果が出ています.
特に最近注目されているのが睡眠時無呼吸症候群と言われる物で、睡眠時に呼吸が止まる無呼吸型、換気量が半分以下に低下する閉塞型、それらの混合型等があります。
いずれも10秒聞、1時間あたり5回以上、1晩で30回以上起これば睡眠時無呼吸症候群と見なされます。
睡眠時の無呼吸は心臓や循環器の疾患と結び付く事が多く、閉塞型の無呼吸症候群では半数が高血圧となっています。
これと言って原因がなく、ただ高血圧の症状だけがあると言う本態性の高血圧では3割に睡眠時無呼吸が発生が発生しているとも言われています。
また睡眠時には不整脈が起こりやすくなります。
無呼吸が起こると呼吸が再開する時に微小覚醒が起こるので、睡眠が分断された状態になります。
したがって日中に居眠りをしたり、単純作業の時に注意が瞬時的に低下する等の影響が生じてしまいます。
また抑うつ気分になったり焦燥感、不安感、更には無分別な行動や猜疑心等精神的な変化が起こる場合がある事も報告されています。
男性、肥満、加齢が危険因子ですが、閉経後の女性でも危険度は高まります。
いびきをかくと指摘される人は、無呼吸が起こっていないかを家族に観察してもらうと良いでしょう。
ホットフラッシュというのは更年期の不定愁訴の中でも最も多い症状で、更年期障害の人の7割にみられます。
突然起こる身体の熱感で、顔面、東部、上胸部などの中心部から末梢へ広がります。
持続時間は2~3分で、同時に汗をかく事が多いのですが、必ずしも発汗を伴う訳ではありません。
また回数も強さもまちまちです。更年期にはエストロゲンが減少しますが、その為にエストロゲンを増加させようとして下垂体機能が充進し、ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)を沢山分泌するようになります。
こうした内分泌のバランスの混乱が自律神経系にも影響を与える事が原因とされています。
しかし最近では自律神経の末端から分泌される神経ホルモンの一つ(CGRP:カルシトニン遺伝子関連ペプチド)がホットフラッシュに関係していると言う事も分かってきました。
エストロゲンには血管の拡張維持の働きもあるのですが、エストロゲンの低下によって末梢の循環が悪くなって冷えとして感じられます。
するとCGRPが分泌過多になり反応しやすくなって今度はホットフラッシュとして感じられるのです。
つまりホットフラッシュと冷えはひとつの出来事の裏表として考えられる訳です。
ただし、ホットフラッシュや冷えを始めとする更年期の不定愁訴はエストロゲンの減少だけで説明出来る物では無く、心因的なストレスとも密接に関係しているので心身両面からの対処が必要です。