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耐性菌とプラスミド

2020.01.03 | Category: 感染症

細菌の中には染色体外遺伝子のプラスミドがあり、染色体からは独立して増える事が出来ます。プラスミドは細菌にとっては必須の遺伝子情報を持っている訳ではありませんが、宿主が生き残る為に必要な遺伝子として進化し続けているのです。例えば、金属耐性や薬剤(抗生物質)耐性等がそれです。どの様に耐性が獲得されるのかと言えば、菌の染色体の変異が起こって耐性菌になるのでは無く、このプラスミドの上に薬剤を失活させる様な蛋白質をコード化させる遺伝子を持ったトランスポゾンを挿入される為である事が明らかになっています。このトランスポゾンとは、一定の構造を保ったまま染色体上を転移する事が出来る遺伝子単位です。その両端にある特有な操り返し配列が接着剤の役目をして染色体との組み換えを起こしやすい性質があります。このプラスミドや細菌内のウイルスであるファージは遺伝子組み換え技術にも利用されています。DNA を特定の部位で切断する事が出来る制限酵素によって人のDNA断片を大腸菌のプラスミドに組み込み増殖させる事が可能なのです。この様な性質からプラスミドの事を別名遺伝子の運び屋、ベクターとも呼ばれているのです。


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