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成人へのワクチン追加接種

2020.01.02 | Category: 感染症

今成人でのはしかの流行が取りだたされています。近年では患者の発生率が急増しています。大人の発症は重症化もあり肺炎や脳炎を起こしたりもします。ワクチンの免疫力は永遠に効力が持続すると思いがちですが免疫力は徐々に減衰していきます。ただそれに自然発生的に周囲の流行によりウイルスに感染して再び免疫力を得て来ていたのです。しかし現代は感染症の流行が減り再び補強される事が無くなった為だとされています。我が国では1968年以降、ジフテリア・破傷風・百日咳の3 種混合の予防接種が広く幼児と学童を対象に行われてきました。国立感染研究所や九州大学等で、年齢別により血中の抗体価の測定を行ったところ、破傷風の抗毒素抗体保有率は0~30歳までは85~100%あるのに付し、31歳以降は0~20%でした。ジフテリアや百日咳の抗毒素抗体保有率はやはり31歳以降は低かったのですが、一応感染防御レベル以上あるので、一番問臆なのは破傷風なのです。日本では年間50人余りの患者が発生し、30~50%が死亡していますが、世界中では年間100万人が亡くなるという、最も恐ろしい感染症の一つです。破傷風菌は土の中で生きる嫌気性菌で、怪我をした傷口から感染するとほぼ100%の確率で発症します。潜伏期間は普通1~2週閲ですが個人差があって2 ケ月以上も経ってから発症する事もあり、本人も怪我をした事を忘れていたりします。初期症状は部分的なこわばりで、顔面の痙攣が表れ、「破傷風顔貌」という、微笑みが歪んだ様な表情になり、48時間以内に、抗毒素血清療法等の処置が取られ無ければ、事態はかなり深刻になります。意識はハッキリしているのに筋肉の痙攣が全身的に起き、呼吸困難を起こして窒息しするのです。怪我をし易い職業の人は勿論の事、アウトドアのレジャーや医療体制の整っていない国に出かける時は、破傷風の予防接種をする必要がある様です。


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