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犯人は酸化LDL

2019.12.17 | Category: 動脈硬化

白血球の一つである単球は血管壁にくっ付くと内皮細胞の下に潜り込んでマクロフアージとなって血液中の悪玉コレステロールと言われるLDLを取り込んで行きます。そのマクロファージは脂肪を溜め込んだ泡沫細胞になって血管壁にプラークを作る様になりますが、それが破裂すれば血栓となったり、血小板由来の血液凝固が起こったりして動脈硬化が進んで行くと考えられます。ところがマクロファージが貧食するのは同じLDLといっても、酸化したLDLなのです。LDLは酸化すると毒性を持ち、内皮細胞等を障害します。この毒性を持った酸化LDLを掃除するのがマクロファージと言う訳で、マクロファージはコレステロールを貧食する事が目的では無いのです。音通血液の中にはビタミンCやビタミンEなど多くの抗酸化物質やフリーラジカルを処理するシステムを備えている為、LDLにしても早々酸化される訳ではありません。しかし血液中にLDLが溢れると、血管壁に沈着する様になります。血管壁の付近では血管の真ん中ほど抗酸化物質が無い為に少しずつ酸化が起こり、そこを目指して単球が集まって来るという訳です。つまりLDLの量が多くても酸化される事が無ければ動脈硬化は抑えられるのです。


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