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スカベンジャー受容体

2019.12.16 | Category: 動脈硬化

日本人の名前の付いた細胞は現在の所たつた2つしかありません。その栄誉にあるのが肝臓にある伊東細胞と脳にある間藤細胞です。この間藤細胞が実はスカベンジヤー細胞だったのです。スカベンジャーとは掃除屋という意味ですが、通常は免疫系で立要な役割を担うスカベンジャー受容体はマクロファージヤーにあつて、血管内で酸化LDLや変性LDL(悪玉コレストロール)を取り込み、動脈硬化巣で見られる泡沫細胞に関与して動脈硬化の発症に強く関わってしまいます。脳内に於いては、従来はミクログリア細胞がゴミ処理をしていると考えられていました。間藤教授は脳動脈の周囲に沢山の蛍光を発する細胞を発見して、この細胞が年を取るにつれて大きく膨れ上がり動脈を圧迫している事を突き止めたのです。この事から、この細胞は脳内の血液脳関門としての機能や異物や老廃物の処理をするスカベンジヤー受容体である事が明らかになつたのです。この細胞は溜まった異物や老廃物の為に変性して脳の血管を狭窄する原因になっています。ですから虚血性脳疾患の場合脳内部の動脈硬化による狭窄だけでなく外からの狭窄の危険もあるのです。


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