- Blog記事一覧 -4月, 2021 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院 - Part 2の記事一覧
4月, 2021 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院 - Part 2の記事一覧
老化その物が癌に繋がる事は明らかです。国立癌センターの山口直人氏は、大体40歳から5年毎におよそ2倍ずつ癌のリスクが高くなると報告しています。
老化によって癌になる確率が高くなるいくつかの原因が考えられます。
まず、癌の発症には長い潜伏期間があり、短くても5年、長ければ20数年と言われています。
その間に年を取り、結果的に高齢者になってから発見される訳です。
また、老化と共に遺伝子を傷つける活性酸素によって作られた酸化物質が細胞のミトコンドリアから漏れて、それに対抗する抗酸化作用が上手く行かなくなります。
この様な状態が長い年月続けば、当然遺伝子の突然変異の頻度が多くなります。
元々、それを修復する遺伝子もあるのですが、それを修復する能力も老化によって落ちて来ますので、癌になる確率が高くなるのです。
また、癌や老化で注目されているのが染色体の末端にあるテロメアです。このテロメアは寿命遺伝子とも言われ、細胞分裂を繰り返す度に短くなっていきます。
テロメアが短くなると染色体上の遺伝子が非常に不安定になってきて、エラーを起し易くなり、その為に細胞がより癌化しやすくなると言われています。
このように高齢化によって癌化する確率は高くなるのですが、癌細胞も老化現象の中で毛細血管新生能力の低下が起こり、活発に増殖出来ずにゆっくりした物になります。
三大生活習慣病の中で癌が死因のピークを迎えるのは男性で60~69歳、女性で50歳前後です。
40歳を過ぎたら定期検診を受けたり、生活習慣の見直しに心掛けて、癌の予防と早期発見に努めるべきです。
遺伝子に突然変異をもたらす危険な物質は沢山ありますが、それ自体は変異原では無いのに癌を誘発してしまう物があります。
アルコールや肝炎ウイルス等がそうです。
細胞増殖する時DNAがコピーされますが、どんな細胞でも100万塩基に1回の割合でエラーが起こり、癌発生の第一歩となる可能性があります。
この確率は決して高い物とは言えないのですが、細胞が増殖する回数が多くなればなる程当然エラーが発生しやすくなります。
アルコールの場合、度の強い酒を多量に飲むと口や喉の細胞が死んでしまいます。
すると回りの細胞は分裂して補うように促され、増殖が活発になります。
その時タバコを吸うとタバコの煙は変異原ですからDNAのコピーはより一層エラーが多くなります。
増殖中のDNAはそうで無いDNAに比べて変異原の攻撃を受けやすいのでエラーの確率はずっと高くなるのです。
お酒を飲みながらタバコを吸うと口腔癌のリスクが30倍にもなるのはこう言う訳なのです。
一方肝炎ウイルスの場合、肝細胞はウイルスによって破壊されていきます。
正常な場合、肝臓の細胞分裂はさほど起こらないのですが、このような状況では強い増殖力を持つ肝臓は新しい肝細胞を作り続けます。
つまりこの肝炎ウイルスによって細胞分裂が盛んになるとそれだけエラーが重なって肝臓癌になってしまうというわけです。
つまり細胞分裂の活発な部位は癌にもなりやすく、それ自体は発癌性がなくても細胞の増殖を促すものは癌化に手を貸すとも言える訳です。
癌医療の化学療法や放射線療法は、癌細胞のDNAを破壊して殺す為に抗癌剤や放射線を利用すると言うものです。
しかし最近分かって来たところでは、これらの抗癌剤や放射線はDNAを破壊しているのでは無く、抗腫瘍因子の遺伝子p53を活性化させ、癌細胞にアポトーシスを引き起こさせて自死させていると言うのです。
p53はゲノムのコントローラーと言える意伝子で、化学物質やエラーコピーによってDNAに傷を負った細胞の増殖に、待ったをかける働きを持っています。
傷があまりにも大きければそのままアポトーシスに持ち込み、修復可能であればp53が作用して増殖を一時停止している間に別の修復装置が働きます。
このp53が働か無ければ細胞はどんどん増殖していく訳で、癌の半分位はこのp53の遺伝子が変異していると言うのです。
薬や放射線はDNAの破壊ではなく、p53を剌激して癌細胞を成長させない様にし、アポトーシスに持ち込んでいたという訳です。
ですからp53が全く機能し無くなったタイプの癌ではアポトーシスの状態に持って行く事が出来ない為に化学療法や放射線療法が効果を上げる事が出来ません。
その場合には別の方法をとらなければ意味が無いと言う事になります。
正常細胞が癌化する過程にはいくつものステップがありますが、どのステップの異常が癌化させたのかが分かれば無駄な治療をする事が避けられるでしょう。
正常な細胞には、無制限な分裂を抑える「細胞増殖のブレーキ」役とも言うべき、癌抑制遺伝子がいくつも備わっています。
代表的な癌抑制遺伝子には、DNAの損傷を修復する酵素蛋白を作る「p53遺伝子」や、細胞分裂を促進させるE2F転写因子を制御する「RB遺伝子」といった物があります。
細胞核内に1対づつある癌抑制遺伝子の両方が壊れて、初めて癌化が促進されるのですが、遺伝性の癌と言われる人は生まれながらに片方の遺伝子が欠失や変異しているので、癌になりやすいのです。
ところが最新の研究では、癌抑制遺伝子にまったく欠失や変異が認められないのに、機能していない為に癌が発生する事があると分かってきました。
遺伝子の塩基配列をコンピューターのハードに例えれば、どの遺伝子をいつ機能させるかというソフトが遺伝子の「機能スイッチ」にあたります。
癌抑制遺伝子の塩基配列が正常なのに機能しないのは、遺伝子の「機能スイッチ」が「オフ」になっているからで、このスイッチ役をしているのが「メチル基」という化学物質です。
炭素1個と水素3個からなり、塩基配列の内「…CGAT」のCの位置に取りついて「メチル化」して遺伝子の機能を止めます。
受精卵から各器官に分化、アポトーシス、成長と老化といった生命の機構にこのメチル化は深く関わっています。
いつどういう機序でメチル化が起きるのか、世界の癌研究で注目を集めている分野のひとつです。
がんを引き起こすウイルスには肝臓がんのB、C型肝炎ウイルス、バーキットリンパ腫や鼻咽頭がんのEBウイルス、子宮がんのパピローマウイルス、白血病のHTLV(ヒト白血病ウイルス)等がよく知られています。
これらのがんは癌を発生させる遺伝子を持っています。しかし、がん遺伝子だけが原因では無いと言う研究も出て来ているのです。
それはがんウイルスによって標的の臓器が慢性的な炎症になる事でがんの発症に関与していると言うのです。
ですから慢性的な炎症を起こすものはウイルスばかりで無く、細菌や寄生虫も挙げられます。
話題の胃がんの原因となるヘリコバクター・ピロリ菌や口腔内連鎖球菌のーつストレプトコッカス・アンジノズスが食道がんの原因ではないかと言われています。
更に膀胱がんは住血吸虫と言う寄生虫が関与している場合がある事も分かって来ました。
がんの原因の約10%はこのようなウイルスや細菌による慢性的な炎症によるのではないかと言う報告もあります。
最近では抗炎症剤は炎症を抑える効果だけで無く、同時にがんを抑制する事が分かってきました。
非ステロイド系の抗炎症剤のアスピリン等が大腸がんの発生を抑える事が出来ると言う報告もあります。
また、癌が出来てしまった為に、がん細胞から作られるサイトカインが炎症を起させ、その炎症によって益々がん細胞が増殖すると言う事も明らかになってきました。
従来は因果関係がハッキリしていなかった癌と炎症には深い関係がある事は間違いないところです。
厚生労働省に難病指定されている潰瘍性大腸炎が15歳から25歳の若者に急増しています。
欧米では約200万人、日本では84年には9100人でしたが、現在では約6万人になっています。
要因のーつと考えられているのが無繊維高脂防食ですが、近年の研究では自己免疫疾患が考えられています。
潰瘍性大腸炎は肛門に近い直腸から、大腸粘膜にビラン、潰瘍が全体に広がります。
この病気は大腸内に無数にある細菌が潰瘍によって崩れた大腸の粘膜を浸透し、粘膜内の顛粒球と接触し、顧粒球を活性化させ、これが大量に増えると更に大腸の粘膜を攻撃して潰瘍を作ると考えられています。
脂肪性の下痢が特長で、腹痛、下痢、血便を繰り返し、症状が進むと一日10数回の下痢血便が起きるのです。
改善としては炎症を抑える為に副腎皮質ホルモンが中心で投薬が行われますが、副作用で骨壊死、骨粗鬆症の副作用が強く出る為に長期間使用できません。
そこで最近の方法として、酢酸セルロースの粒子を使った騏粒球ろ過装置がかなり効果がある事が分かってきました。
患者の血旅をろ過装置に通すと活性穎粒球のほぼ全てを吸着する除去療法で症状がかなり改善されるのです。
2000年4月に厚生労働者で認可され、重症の潰瘍性大腸炎の患者約1000人に行われ70~80%の患者で症状が改善されたのです。
また難病であるクローン病にも活性白血球の異常が発見されているので、この方法が有効ではないかと期待されています。
胃がんや大腸がんなど消化管にできるがんのほとんどは粘膜に発生するので、臓器の内部から観察できる内視鏡が威力を発揮します。
大腸の内祝鏡検査を受けるとき、前日の夕食はいつも通りに食べますが、その後は絶食します。水分は摂ることができます。
検査当日は腸の内容物を空にする為朝に下剤の水溶液を約2リットル飲み、午後から検査が行われます。
お尻に穴の空いた検査用の衣服または紙パンツを着用してベッド上に左側を下にして横臥位になります。
肛門から内視鏡を挿入する時、通常の大腸は空気が無くつぶれた状態なので、内視鏡の先端から空気を送り込み、大腸を膨らませながら先へと進みます。
処置の必要な病変、ポリープやポリープ状のがんが見つかった場合は直ぐに「ポリペクトミー」という方法で切除します。
この方法は内視鏡の先端からループ状のスネアというワイヤーを出して、ポリープの根元にかけて引き絞り、高周波電流を流して焼き切るというものです。
切り取ったものは必ず体外に回収して組織検査を行います。
直腸からS状結腸・下行・横行・上行結腸・盲腸の先端まで大腸すべてをカバーすることができ、その様子は患者さんもモニターで見る事ができます。
検査は30~40分で済みますが、ポリペクトミーをした場合は生活全般に無理をせず、激しい運動は控えます。
がんの場合、内視鏡で切除できるのは、がんの進行が粘膜下層まで達していないもの、大きさは隆起型で2センチ以内、陥凹型で1センチまでとされ、それ以上進行したがんは内視鏡での対象ではありません。
便秘に苦しむ人は多く、緩下剤や下剤を簡単に常用しています。
しかしこれが便秘の悪化にも繋がったり、新たな病気を作る事にもなるのです。
例えばセンナやアロエなどの生薬は昔から下剤として使われて来た事もあって、安全だろうと連用する患者さんも多いのですが、意外と危険なのは知られていません。
これらの成分の働き方は大腸を刺激するもので、作用が強く習慣性があります。
有効成分は小腸から吸収されて血行を通じて、また大腸壁に直接働いて粘膜や轜動運動を司るアウエルバッハ神経叢を刺激して、嬬動運動を高めて排便させます。
刺激が強い割りに長く連用すると耐性ができやすく腸管の細胞を障害します。メラニン色素が沈着して腸が黒っぽくなる事もあります。
また市販されている便秘薬は効き目が穏やかで比較的安全とされている緩下剤が多いのですが、これとて耐性ができて習慣になる事もあります。
便秘薬を規定量飲んでも段々効かなくなるので飲む量を増やします。すると腸管は痙學を起こして更に排便し難くなるのです。
するとまた増量、今度は下痢になります。
下痢でも出ないよりはましということで便秘薬を連用し、便意だけは感じ続ける、という下剤性の結腸症候群になってしまうのです。
しかも腸を刺激して無理に排便させる事でカリウムイオンが消耗します。
すると今度は腸の緊張が無くなって便秘が酷くなってしまうのです。気軽に飲みやすい便秘薬ですが、決して適用すべきではありません。
便秘や、下痢のために肛門の粘膜を傷つけたりすると、便に含まれる細菌が直腸や肛門周辺に感染しやすくなり、痔のある人は症状を悪化させます。
そのために排便後、紙で拭くだけでは肛門のシワに便を擦り込んでしまう事になり、肛門周辺がジクジクする等不衛生になるので、痔の方は排便後には肛門周辺を洗う事です。
内閣府が2018年3月にまとめた消費動向調査によると、2人以上世帯の家庭の温水洗浄便座普及率は80.2%。 100世帯当たりの普及台数は113台となっています。
痔の方にとってはこのトイレで排便後のケアも楽になってきました。
しかし、最近は清潔志向から過度に肛門を洗い過ぎて皮膚がカサカサになり、痒みを訴える人が多くなって来ています。
人間の皮膚には表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌を始めとする約10種類以上の皮膚常在菌があって私達の皮膚を守ってくれます。
この常在菌は皮膚の脂肪を餌にして脂肪酸にして、皮膚は弱酸性になり、外からの病原菌が侵入して来てもそれを寄せ付けないのです。
温水洗浄トイレのシャワーのために肛門周囲の常在菌が流され、中性になるのです。
肛門周囲のpHは健康な人の皮膚で5.4~5.7ですが、痒みを訴える人のpHは7以上になっていてアルカリ性になっているのです。
洗い過ぎは常在菌が居なくなるだけで無くて、皮脂を失う事で、皮脂膜が傷害されて角質の細胞がばらぱらになって皮膚がカサカサになり、座っているだけで痛みや出血が起きやすくなるほど弱くなっているのです。
痔疾を持たない人がトイレシャワーを過剰に使うのは避けた方がよいでしょう。
腸内細菌叢は菌同士お互いの陣地を攻撃しあいながら、それなりに均衡が保たれています。
また細菌も攻撃と防衛に明け暮れて体内に侵入しようとはしません。
もちろん、侵入しようとしたらすぐさま非常に強い腸管免疫系の細胞が出撃するので、定在している細菌群jま無駄な努力はしません。
ところが、旅先等で新顔の細菌が腸内に入ると、先に棲息している細菌の陣地を獲得しようと闘いをしかけて、毒素を出して暴れ回る事があります。
このような状況は宿主としてははなはだ迷惑なことです。そこで、腸管免疫系は新しい細菌に対抗する為の迎撃態勢をととのえますが、それには一定の時間が必要です。
そこで、それまでの繋ぎとして、腸神経系が免疫細胞と協同して対抗します。
つまり細菌感染が起こると、粘膜下神経節の分泌促進神経細胞が作動し、大腸上皮細胞を剌激して腸管壁から腸管内へ塩素イオンを放出させます。
また、続いてナトリウムも腸管内へ出ていきます。
この二つから塩化ナトリウムが作られて、それに引きずられるようにして体内から水分が腸管内に大量に出ていきます。
その間、通常やっている腸管内の水を吸収する仕事はやめてしまいます。
すると腸管一杯に水が満たされ、腸内壁にしっかりくっついていない新参ものの細菌は毒素とともに勢い良く洗い流されていきます。
ですからこのような細菌性の下痢では、すぐに下痢止めを飲まずに、脱水に注意しながら下痢させた方が回復が良いわけです。