- Blog記事一覧 -4月, 2020 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院 - Part 2の記事一覧

4月, 2020 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院 - Part 2の記事一覧

恐怖の合併症一腎症

2020.04.19 | Category: 生活習慣病

糖尿病の恐ろしい合併症のひとつが腎症で、人工透析に至った糖尿病患者は10万人を超えています。

以前は糖尿病性の腎症は尿蛋白が陽性になってから(第3期)診断・改善されていましたが、その時点では腎症の悪化を阻止する事は難しく、10年程で末期腎不全(第4期)に進行していました。

しかし、尿蛋白に先行して尿の中に微量のアルブミンが増加する時期があり、(第2期一早斯腎症)、この時期に厳格な血糖と血圧のコントロールと蛋白質の制限をすれば、腎症から腎不全へと進行する事を防げる事が分かってます。

この時期では、血糖と共に、特に血圧の管理が重要で、140/90mmHgを目標に、まず減塩、運動、肥満解消、を徹底し、それでも血圧が下がらなければ降圧剤を使ってでも下げる必要がある様です。

また、蛋白質も早期から制限する事が糖尿病性腎症の進行を抑制させる様ですが、早期であればあまり厳格で無くても良く、体重lkgに対して1~0.8g程度の蛋白質に抑えれば良いでしょう。

恐怖の合併症一網膜症

2020.04.18 | Category: 生活習慣病,

糖尿病性網膜症は、後天性失明の原因の第一位で、年間3000人もの人が失明しています。

糖尿病歴10年で50%が網膜症を合併すると言われていますが、最初は自覚症状が殆ど無い単純網膜症で、血糖値が正常化すれば症状が消える可能性があります。

まず糖尿病によって網膜の毛細血管に瘤が出来たり、小さい出血や侵出斑が出来たりします(単純網膜症)。

しかし、この時期を過ぎて、循環障害で酸素不足になった網膜の上に、酸素を補うために新たに血管が伸びて来る「増殖期」になると悪化はいっきにスピードアップして網膜剥離を起して失明してしまうのです。

この増殖期になる前なら、しっかりした血糖のコントロールによって改善させたり、進行を止めたりする事も可能です。

また、光凝固法という、レーザーで酸欠になった神経の一部を焼いて新生血管が出て来るのを予防する方法も可能です。

自覚症状が無いだけに、いっきに失明もあるので、糖尿病になったら、必ず定期的に眼科の検診を受けて網膜症の早期発見を心掛けなければなりません。

大腸の独立性

2020.04.17 | Category: 神経

大腸は中腔臓器であり、腸内には沢山の細菌が常在しています。

口から肛門まで、腸管は丁度ちくわの内側がそうである様に身体の中の外部環境である訳です。

口腔には、粘膜細胞やアデノイドや扁桃腺がある様に大腸にも外敵からの侵入を防御する為のリンパ組織が粘膜の下に沢山あります。そればかりで無く、大腸には腸神経系と呼ばれる神経細胞の集まりがあり、網の目のように張り巡らされています。

また、腸の粘膜には、脳下垂体や膵臓で作られるホルモンと同じ作用のあるセロトニンやソマトスタチン等の腸内分泌細胞があります。

これらの働きによって、日々複雑に変化する腸内の状態を一定にしているのです。腸の蠕動運動、水分のコントロールや様々な腸内殺菌による化学的な変化に対応する様子は、さながら、脳による身体のコントロールに匹敵する様に見えます。

正に神経系、ホルモン系、免疫系を備えた大腸は身体の中の独立組織であると言っても良いでしょう。

食物繊維

2020.04.16 | Category: 食事

医学の始祖ヒポクラテスの言葉に「柔らかい食品は固い便を、固い食品は柔らかい便を与える」とあり、便秘の患者に小麦ふすまを与えて改善をしたそうです。

小麦ふすまは、小麦の外皮の事で食物繊維を多く含んでいます。食物繊維は従来の栄養学で考えると何の意昧もないカスとしていましたが、最近では栄養過剰による肥満や高脂血症を予防する上で大切な第6の栄養素と言われています。

食物繊維は梢化酵素に消化されず水を沢山抱え込む性質がある為に便の容量を増やし、腸を通過する時間を短縮する作用があるので、便秘の予防に大切な栄養素です。

増えている大腸癌は、肉食中心の食生活になった為に胆汁酸を多く含んだ便の滞留時間が長くなり、それが直腸などの粘膜を刺激して癌になると言われています。

食物繊維を多く含む食べ物としては切り干し大根、ヒジキ、干し椎茸、豆類などです。指標では1日20~30g摂る事を目安としていますが、現代人は5~15gしか摂って無いそうです

唾液

2020.04.15 | Category: 消化器

私達は日々、食品添加物や汚染された空気や水に晒されていて、これらに含まれる毒物を避ける事は簡単ではありませんが、気付かぬ内に体内に取り込まれてしまう毒物を、無害に近くする方法があります。

至極簡単、それは唾液を十分に出す事です。細胞毒である、DNA変異を起こさせる発癌物質に、唾液を混ぜて30秒もするとその物質の変異原性は数分のlに減少してしまいます。

強力な発癌物質とされるアフラトキシンやAF-2も例外ではありません。唾液には12種類の酵素と幾つかのビタミン、ホルモンが含まれていますが、この中でも酵素のペルオキシダーゼとカタラーゼが強力な毒消し効果を持っているのです。

食事の際に一口30回以上噛んで唾液と食物を十分混ぜ合わせる様にすれば良いのです。

しかし、ペルオキシダーゼ活性にも個人差があって、強力な酵素を持っている人もいれば、殆ど活性の無い人も居て、男女の差は無いものの年令では55才を過ぎる頃から下り坂になり、老人ではその活性が低い事が分かりました。

また強力なペルオキシダーゼ活性の持主でも、徹夜が続いたり重労動等で疲労が激しかったりとストレスが重なると活性が著しく低下してしまうのです。

内臓異常と関連痛

2020.04.14 | Category: 感覚器

内臓の痛覚受容器は比較的少なく、例えば肝臓等は沈黙の臓器と言われる位、痛覚受容器がありません。

胃や腸などの中腔臓器の壁の痛覚受容器は伸展に対して感受性が大きいので、炎症や充血などの刺激に対しては激痛を起こします。

ところで、内臓の異常によって、その臓器から離れた部位に痛みが出て来る事がありますが、これを関連痛と言っています。

内臓の異常は自律神経求心性繊維を通じて脊髄後根から脊髄内に入りますが、その分節内には、皮膚や筋肉等の体性感覚の求心性神経がありますので、それらは同一の感覚伝導路(外側脊髄視床路)ニューロンに収束された為に、投射が起こるからだと言われています。

実は関連痛が起こる機序は仮説なのですが、いずれにしても、関連痛はすべて発生学的な神経支配の走行に出て来る事が特徴です。

ですから元の痛みが発生した組織と発生学的に同じ体節または皮膚節に出て来ます。例えば、よく知られている心臓の異常が左腕の内側に痛みを感じさせるのは、上部胸髄神経支配が、腕の神経も支配しているからです。

神経系と免疫系との繋がり

2020.04.13 | Category: 神経

従来、免疫系は自律的で他の影響を受け無いと言うのが定説でしたが、神経と免疫の関連に注目した「精神神経免疫学」という分野があります。

その研究者のデビット・フェルトンは牌臓の回りにある免疫系の細胞の広がりの中に、一束の神経線維を発見しました。

研究を進める中で、他の部分でも同じ事が分かり、神経線維が実質的に免疫系の全ての器官に通っていて、免疫系の細胞と接触している事を明らかにしました。

また免疫系の細胞の表面には、神経伝達物質のレセプターがある事は、以前から分かっていましたがどうしてあるのか謎でした。

この事から、脳と免疫系に繋がりがある事、精神的な要因が免疫系の活動に影響を与え、更に免疫系の作り出すものが脳にも影響を与えるという考えが成り立つと言うのです。

腸は神経の網タイツを履いている

2020.04.12 | Category: 神経

臍下丹田とは、生命の元気が宿っているとも言いますが、この位置は、腸がある所です。

この腸は、不思議な事に脳死状態になっても働き続けてくれるのです。

これを「腸の自動能」といいますが、腸は食べ物の吸収ばかりでなく、その化学成分を認識して、肺臓、肝臓、胆のうなどに指令を出したり、食べ物を肛門に向かって移動させる為に蠕動運動を起させたりしているのです。

この腸壁の粘膜や筋の層の中には神経線維が縦横に張り巡らされていて、まるで網タイツの様であると形容している専門家がいるほどです。

その神経線絡の結び目には神経細胞があり、腸全体では億単位に昇るとも言われています。

この数は脳には遠く及びませんが脊髄全体の数を凌ぐ程あるのです。

正に腸は「小さな脳」と言われる事もうなずけます。神経系の進化という面からヒドラのように脳の無い生物は、神経細胞は腸の回りに散在しています。

ヒルやミミズに進化すると、腸の始まり(食道)の回りに、神経節が現れます。この神経節が次第に追加され、上に行ったのが脳であるとも説明出来ますし、丹田気が宿る所です。

周波数の使い分け

2020.04.11 | Category: 神経

神経に刺激を与えて興奮を起こさせるとそれからー定期間次の刺激に対して興奮を示しません。

これを不応期といい、これにはどんな強い刺激にも反応しない絶対不応期と、また興奮している時でも正常よりも同値が高く、発生する興奮の大きさも小さい相対不応期があります。

絶対不応期は1000分の1秒(1シグマ)といわれ、この問は興奮性が無くなります。低周波器で周波数の上限が1000Hzになっているのはこの為で、それ以上の刺激が来ても反応しないからです。

改善を必要とする神経は不応期が長くなる場合があり、それに応じて周波数を変える事になります。

周波数が1~250Hzの場合は運動神経を介して麻痺筋の運動練習をします。

慢性化した痛みを取る場合も低い周波数の方が、モルヒネ様物質が多く出るといわれ、改善の後の後効果が長いといわれています。

250~600Hzでは機能促進、鎮静作用。600~1000Hzでは疼痛除去、鎮痛を目的に使われます。神経の伝導が遮断され痛みに対して即効性があります。周波数はその症状に応じて何を期待するかにより使い分けられる事になります。

神経細胞の働き方はたった三つ

2020.04.10 | Category: 神経

神経細胞は、シナプス結合で神経伝達物質によって情報を伝達します。

その伝達のやり方は複雑に見えますが、基本的には3種類です。まず相手の標的細胞を興奮させるか、抑制させるかの2種類の伝達方法が基本的なものです。

そしてもうひとつの働き方として、興奮を伝える神経細胞にシナプス結合して、興奮を伝える神経細胞を抑制する、つまり興奮の効率を下げることで興奮を伝えにくくするという「シナプス前抑制」というタイプの働き方をします。

神経伝達物質の種類は沢山ありますが、その働き方はこの3種類に過ぎません。

人の体では生体の恒常性を維持するのは(排卵や出産などを除いて)負のフィードバックが基本ですが、神経の情報伝達もこの例に漏れず、負のフィードバックが基本となっていると言えます。

この場合、(少数の例外はありますが)同じ神経細胞が抑制性や興奮性のシナプスを作る分けでは無く、ある神経細胞は興奮性のシナプスばかり、別の神経細胞は抑制性のシナプスばかりを作る、と言う様に分担をしています。

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