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高血圧 - Part 2の記事一覧

血圧と体内リズム

2020.12.24 | Category: 高血圧

生物にはサーカディアン・リズムと呼ばれる「体内時計」があり、血圧にも24時間の周期で変動するリズムがあります。

朝の6時前後から上昇し、午前10時前後と夜7時頃の2度に血圧のピークがあり、午後9時を過ぎる頃から下降して、明け方前が最低となるリズムです。

おおむね誰でも昼間は高く、夜は低くなります。健康な人でも1日の内で30mmHg位は変動するので、血圧を測る時間には注意が必要です。

例えば午前I1時に測った時に、140mmHgならやや高いで済みますが、午後11時に測った数値であれば高血圧症であるといえるでしょう。

ただし夜間作業に従事し、午前中は寝ていると言う人はこの血圧リズムも夜型にズレています。

しかし人工的に強制されたリズムは自然な生理的リズムを狂わせているので、一般の人よりも疲れやすいのです。

最近増えている、若者の高血圧は夜ふかしタイプに多いのです。血圧リズムを1週間のサイクルで見ると、高血圧症の人は金曜日がもっとも血圧値が高く、1週間の仕事の疲れとストレスがピークに達するからだろうと思われます。

これを裏付ける様に脳卒中患者の発生も金曜日が最も多いのです。1年の周期で見ると、一般には血圧は冬に高く夏低いと思われていますが、夏や春秋に高い人も少なく有りません。

「血圧は冬高い」と言うより「血圧は寒いと高くなる」と言う事で、気温の急激な変化による温度差には要注意です。

薬と高血圧

2020.12.24 | Category: 高血圧

市販の薬で最も高血圧との関連のあるのが胃薬(制散剤入り)です。胃薬は他の薬より長期間に渡り常用するので要注意です。

制酸剤には重曹を含む物が多く、この重曹はグラム当たりのナトリウム含量が多いのです。また漢方でも使う甘草には長期使用すると高血圧を引き起こす事があります。

甘草に含まれているグリチルリチン酸を含んでいて、鉱質コルチコイドに似たホルモン作用があり、これが体にナトリウムを為、逆にカリウムを排出する働きがあるからです。

性ホルモンであるエストロゲン製剤は更年期障害や不妊症等に使われ、経口避妊薬としても使用されていますが、血圧を上昇させる事があり、ピルの常用者の5%に高血圧が認められると言う報告があります。

また、心臓や血管の障害を起す副作用もあり、欧米では問題になっています。

うつ病の薬の中でモノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤では、食べ物との食べ合わせで上昇する事があります(チラミンを含んだチーズ、ビール、ヨーグルト、チョコレート等)。

しかし、意外なのは降圧剤による高血圧です。いいかげんな服用により血圧が上昇する事があります。飲んだり飲まなかったりしていると、知らず知らずにダイエットと同じ様にリバウンド現象を引き起こすのです。

降圧剤の中でも神経系に働きかける薬のいいかげんな飲み方によって血圧の上昇ばかりか、狭心症発作や心筋梗塞等の重篤な疾患も起す事も知られており、高血圧の薬を、かってに按配する事はくれぐれも厳禁です。

快適な睡眠の為に

2020.12.22 | Category: 高血圧

血圧は昼間に比べて夜の睡眠中は下がっています。昼間は交感神経の働きで心臓の拍動を高め、末梢血管を収縮させるのに対し、夜間は副交感神経の働きで心拍数は落ち末梢血管も拡張するからです。

高血圧患者にとっては血管への負担が軽くなるのでホッとする時間ですが、快適な睡眠の為に注意する事がいくつかあります。

まず、重い布団をかけていると酸素消費量が多くなるので、心臓に余計な負担をかけます。高い枕をしていると、首から上に必要な血液を送る為に、血圧を上げようとしてしまいます。

高血圧者で無くても、重い布団や高い枕を避ける事は身体の休息には大切な事です。そして副交感神経は心臓や血管の働きを抑えてくれますが、血液の濃度まではコントロールしてくれません。

普通の人でも睡眠中にコップ1杯の汗をかきます、睡眠中の血液濃度は明け方に最高になり、ドロドロしてきます。

特に高血圧者は動脈硬化もあって血管が狭くなっていたり、血管壁がデコボコしていたりで、血流が悪くなっています。加えて疲労が溜まっていたり、夕食にこってりした物を食べたりしているとより一層血涙が悪くなり、最悪の場合、心臓が酸欠状態に陥って明け方に発作を起こすと言う事もあります。

これには、寝る前にコップ1杯の水を飲む事と、夕食は軽めに済ませるという習慣を付ければ、防ぐ事が出来ます。特に汗を沢山かく夏には、この水分補給がとても大切です。

高血圧と運動

2020.12.22 | Category: 高血圧

生活習慣病の大きな原因のひとつが運動不足です。

運動をすると体内でタウリン、プロスタグランディンE、ドーパミン等の降圧物質が作られます。タウリンやプロスタグランディンは血管を弛緩させる働きがあり、ドーパミンは利尿作用があってナトリウムの排泄を進めるので血圧が下がると考えられています。

軽症の高血圧であれば食事療法と共に運動を持続すれば薬を用い無くても済む場合もあり、例え降圧剤が必要な場合でも運動する事で薬の量を増やさずに済んだり、目標まで下げられ無かった血圧を理想値に近づける事も可能です。

アメリカの指標ですが体力や身体の機能を向上する為なら中等度~強度の有酸素運動を20~60分週3~5回行う事また、病気になるリスクを減らす為ならば中等度の運動で合計30分以上を(8~10分の断続的な運動でも可)毎日行う事が推奨されています。

ハードな運動はかえってマイナスですが、運動量が多過ぎる為にその効果が無くなると見なされるのは1週間あたり3000kcalのエネルギー消費ですから、合併症等の無い人の場合、相当の活動量までは体力改善に有効だといえます。(速歩1時間で350~4ookcalの消費)

腹式呼吸で血圧を下げる

2020.12.21 | Category: 高血圧

ヨーガや座禅で行う腹式呼吸法が血圧を下げる効果があります。

本感性高血圧の人に不安や緊張があると交感神経が緊張し、血圧が上昇して、呼吸も胸郭を動かす胸式呼吸が多くなってきます。

この時に深くゆっくりした腹式呼吸にすると、必要な酸素をうまく取り込こむことで、その酸素濃度を感知する頚動脈にあるレセプターから延髄にある呼吸中枢、循環中枢に情報を伝えます。

またこのゆっくりした呼吸の刺激が視床下部にも影響して、交感神経と副交感神経とのバランスが良くなり、血圧の低下や血流の改善に効果があると言われています。

腹式呼吸は、二次性の高血圧の人を除き、ストレスで高くなった血圧を正常化するのにも役立つ効果があるのです。腹式呼吸の基本は、腹をゆっくり膨らませながら、十分に息を吸い、ゆっくり腹をへこませながら息を吐き出します。

普段の生活の中で、自然にこの呼吸が出来る様になるには訓練がいりますが、慣れると、いつでも、どこでも、歩きながらでも、電車の中でも出来る様になります。

一日2回、1回5分を続ける事で、体の緊張と弛緩のリズムを作り、血圧をコントロールする事が出来るのです。医療従事者にとっては、ごく当たり前の事ではありますが、患者さんへのアドバイスとしては欠かせないものです。

血圧に関するミネラル

2020.12.20 | Category: 高血圧

高血圧の人の食生活にとって大切なミネラルがカリウムです。カリウムは余分なナトリウムを排泄して血圧を下げます。

ナトリウムは細胞外液に、カリウムは細胞内液に多く含まれていて、細胞膜にはカリウムを取り込み、ナトリウムを汲み出すポンプが備わっています。

汲み出された余分なナトリウムは腎臓から排出されますが、カリウムは、その排出を促す働きもあるのです。またカルシウムも血圧を下げると言われていますが、そのメカニズムはまだ解明されていません。

ただ高血圧患者ではカルシウムの代謝異常が起きている事です。血圧の高い人は細胞内液の中のカルシウムが過剰になっています。

また、腎臓では尿から排泄されるカルシウムが多くなる為に、血液中のカルシウムが不足という代謝異常が起きているのです。血管の筋肉もカルシウムが細胞内で濃度が高くなると収縮率が高まるので血圧を上昇させます。

カルシウムの細胞内への侵入を防ぐカルシウム拮抗薬が降圧剤になるのです。天然のカルシウム桔抗薬として注目されているのがマグネシウムです。

マグネシウムにも体内のカルシウムの量を調節して血圧を下げる働きがあります。ただし腎臓疾患のある人は、カリウム、マグネシウム共、副作用が出るので注意が必要です。

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