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老化と免疫

2019.10.01 | Category: 免疫

老化のひとつに免疫の低下があります。年をと取ると共に心臓や肝臓など臓器の重量は低下しますが。中でも脾臓と胸腺は最も減少率が激しいものです。特に胸腺は思春期以降急速に縮み、40代にはピーク時の重量の10分の1程の重さになります。免疫力が自力で働き始めるのは生後3ヶ月頃からで、20歳位でピークになった後は低下の一途。をたどり免疫力は70歳頃には10%ほどに低下してしまいます。免疫機能は低下するのに自己抗体は上昇してしまうので自己免疫疾患も増えやすくなります。これはT細胞の教育を担っている胸腺の萎縮によって説明が付くでしょう。また食細胞による免疫力は年を取っても保っているのではないかと考えられていましたが、マクロファージではインターフェロンy(ガンマー)やインターロイキン1Lに対する反応が鈍くなって活性されない為サイトカインを産生する能力等が低下します。また殺菌作用や腫瘍障害活性も低下しています。この様に生体防御の第一段階の戦力が弱くなっている訳ですから日和見感染を含む感染症に罹り易くなります。60歳以上の直接の死因の半分は感染症裂症ですから高齢者にとって最もも恐いのは感染症だといえます。


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