- Blog記事一覧 -来談者中心療法
カウンセリングにおいて現在も影響力のあるのがアメリカの心理学者カール・ロジャースによる「来談者中心」と言う、非指示的なカウンセリング理論です。
それまでのカウンセリングは、何をすれば良いか、指示された課題を毎回こなし、その変化を見ると言う指示的なやり方でした。
彼は最初の頃、児童相談所において多動症の子供を持った母親を受け持ったとき、指示的なカウンセリングをしていたのですが、効果が出ませんでした。
その時、母親は自分の悩みや問題について話始め、それが子供に影響している事を母親は感じていたのでした。
その母親の問題を解決したら子供も落ち着いて来たのです。
その出来事が「あれこれアドバイスをしたがカウンセラーが考えているよりもはるかに深い問題をクライエントは知っているのだ」と言う事に気付かされたのでした。
「人間は成長力を内に秘めていて、自分の問題について自分が一番よく知っているのだ」として、カウンセラーが主導権を握るのは危険と考えたのです。
カウンセリングはクライエントの内的な問題を大切にする事で、その為に共感的理解、自己一致、無条件の肯定的配慮と言う態度が必要であると考えたのです。
« エネルギーと筋肉