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進行性筋ジストロフィーとは

2021.06.13 | Category: 骨格筋

筋肉の病気には何十種類とありますが、中でも筋肉そのものが動かなくなる代表的な疾患には、「重症筋無力症」と「進行性筋ジストロフィー」があります。

「重症筋無力症」は筋肉には異常がなく、脳の指令を伝える神経筋接合部の伝達障害(アセチルコリンの代謝異常)で起こります。

しかし「進行性筋ジストロフィー」は脊髄や末梢神経線維に病変はなく筋肉自身に障害が起こり、大脳の指令は正常に筋肉に伝えられるのに、筋肉組織が次第に萎縮して動か無くなってしまうのです。

進行性筋ジストロフィーには、筋障害が顕著に現れる部位により「顔面・肩・上腕型」と「腰肢帯型」、19世紀末のフランス人発見者の名を付けた「デュシエンヌ型(DMD)(全身的な筋障害)」の代表的な3型があります。

筋ジストロフィー全体の罹患率は10万人に5人種で、DMDがその6割を占め、出生男児3500人に1人の割で発生します。

DMDは100年以上も前からその原因が探られてきましたが、解明されたのは遺伝子解析が進んだ為です。

DMDの遺伝子はX染色体に存在して、その1%を占める巨大な物である事が分かり、突然変異率も高いのです。

健常者の筋肉中にあってDMD患者に欠損しているジストロフィンという微量蛋白質は、筋原線維を形質膜に固定して補強材の役目を果たしています。

DMD患者の遺伝子は正常で無いのでジストロフィンが存在せず、その為筋肉の収縮時に細胞膜が損傷を受けて、筋肉中の化学成分が外に流れ出し、細胞外からカルシウム等が入り込み、筋蛋白質の分解が起こって筋肉が急に衰え、やがて筋肉組織が消滅してしまうのです。

最近では病的な筋肉に正常な筋芽細胞を注入する事で筋萎縮を防ぐ手術法がかなりの成果を上げてきているようです。


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