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脳のための睡眠

2021.06.12 | Category:

睡眠には二つの層があって、レム睡眠とノンレム睡眠で構成されているという事は定説です。

レム睡眠時には閉じた瞼の下で目玉がキョロキョロ動いているのに、体はぐったりとしていて脳が起きた状態、ノンレム睡眠時とはレム睡眠でない状態で脳が眠っている状態と理解されています。

そこで「ノンレム睡眠は脳の睡眠」、「レム睡眠は体の睡眠」といわれるのですが、しかしこれは誤解なのです。

そもそも睡眠というのは、脳が必要とするもので、その脳自身が脳のために行う“活動と休息”の働きのリズムで、レム、ノンレム、ともに脳の回復の為にあるものです。

進化の上ではレム睡眠が古く、骨格筋の緊張を解いて休息させる為のものでしたが、進化の中で大脳が発達して大脳を休息させる為のノンレム睡眠が必要となった様です。

するとレム睡眠はノンレム睡眠を覚まさせる役目を持つようになり、この二層のリズムが脳の休息を構成する様になったというわけです。

したがってノンレム睡眠は大脳を沈静化する睡眠、レム睡眠は大脳を活性化する睡眠、とみる事が正しいのです。

こうしてリズムを作って休息するのが脳なら、休息させるのも脳の働きで、脳は睡眠を作る為に体の状態を整えます。

神経のシステムではニューロンを活動させたり抑制したりして眠りを用意し、その影響として体内では分かっているだけで数十もの睡眠物質を分泌して睡眠を作って行くのです。

この睡眠物質の中にはニューロンの機能を回復させたり、ニューロンが作った細胞毒を解毒しているらしい事も分かっています。


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