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夏型の肺炎と家の関係

2021.06.12 | Category: 呼吸器

夏の初め頃から咳や発熱等の風邪症状がでて、風邪薬や抗生物質が効かずに息苦しさが増してくる、という時は要注意です。

特に外泊した時は咳が出ずに息苦しくない、という場合、夏型過敏性肺炎の事がよくあります。

過敵性肺炎とは、カビ等の抗原を繰り返し反復呼吸する事でアレルギー反応が起きて、肺の間質に炎症が起きたもので、夏型は日本の過敵性肺炎の7割以上を占めているのです。

日本の高温多湿の夏、カビの種類は数あれど、腐った木材や畳や寝具などを栄養にして繁殖するカビの中にトリコスポロンというのがあり、これが夏型過敏性肺炎の原因です。

トリコスポロンは築後20年位の古い木造住宅の1階に多く発見されていて、患者は在宅時間の長い主婦が4割を占めています。

ところが最近では築10年程度のマンションでの患者も増えているといいます。

共通している点はいずれも陽当たりや通風・換気が悪くて、カビが発生しやすい条件が揃っている事です。

この肺炎は最初カビを少しずつ吸入してから、啖や痰、発熱等の症状が出始め、次第に悪化して呼吸困難になって行きます。

カビが抗原のアレルギー反応なのですが、スギ花粉症の様に抗原を吸い込んで直ぐに反応が出るのではなく、帰宅してから症状が現れるまでに4~6時間もかかるので、なかなか家が原因とは気付かないものです。

軽症なら入院する等家から離れるだけで症状が取れますが、中等症だと副腎皮質ホルモンを使う事になります。

問題は家のカビ対策で、畳替えや内装の張り替えだけでは間に合わない事もあります。

アレルギーとはいえ放置しておくと肺の繊維化が進み、命に関わる事もあるので、夏風邪が風邪薬や抗生物質を飲んでも症状が取れない様なら、一度住んでいる家の環境をチェックする必要がありそうです。


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