- Blog記事一覧 -糸球体腎炎と免疫複合体
Ⅲ型のアレルギーで起こる代表的な疾患が全身性エリトマトー・デスと糸球体腎炎です。
このⅢ型アレルギーは傷害の標的となる組織とはまったく無関係の可溶性の抗原がlgG抗体と結合して複合体を作り、その免疫複合体が組織に沈着して起こるアレルギー反応なのです。
このアレルギー反応で発症する糸球体腎炎のきっかけとしては溶血性連鎖球菌(溶連菌)の感染が指摘されています。
溶遠藤は口腔の粘膜に巣食う常在菌ですが、疲れやストレス等で免疫力が衰えると発熱や喉の痛み等風邪様症状を呈します。
通常は糸球体腎炎が起きるl~2週間前にこの様な風邪様症状が先行します。この溶連菌は名の通り球状の菌体が数珠繋ぎになっています。
溶連菌に最も関連するのがA群β溶連菌です。この菌体成分が抗原となって血液中を流れる間にそれに対抗すlgG抗体が産生されて行きます。
その抗原と抗体が次第に結合して免疫複合体が生れ、それが濾過装置である腎臓の糸球体に次第に沈着していくのです。
この糸球体は血液を1分間におよそ1リットル濾過していますので、糸球体には免疫複合体が増え続けてしまいます。
すると免疫機構の掃除屋である補体がこれを異物と勘違いして攻撃する為に腎炎が生じます。
この免疫機構の補体の働きとしては、・炎症を活発にさせる ・異物にとりついて免疫の食細胞を刺激する ・異物の細胞を溶解させる等があります。
この糸球体腎炎では全身倦怠、血尿、蛋白尿、尿量減少、上瞼の浮腫等が起こります。
小児では予後が良好ですが、成人の治癒率は20~30%と低く、慢性化するといわれています。
ただ溶連菌感染の症状が出た誰もが同じ様に糸球体腎炎になるわけでは無いので、この免疫複合体だけが原因とは言い難く、全容ははっきり解明されていなのが現状です。
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