- Blog記事一覧 -大腸癌と脂肪
肺癌と共に急速に増えている癌が大腸癌です。
大腸癌は癌の中で食べ物との因果関係が割とはっきりしています。
勿論、ポリープや憩室の出来易い遺伝的体質や腸内細菌叢も関係していますが、大腸癌の最大の原因は脂肪の取り過ぎです。
40年前の日本人の脂肪摂取量は1日26gでしたが、5年前の統計では60gと倍に跳ね上がっています。この摂取量と正に正比例する様に癌が増加しているのです。
この食の欧米化により同時に食物繊維の量も減少してきました。
この二つのうち動物性脂肪がプロモーター(促進因子)で食物繊維はインヒビター(抑制因子)として大腸癌に関与している事が明らかになっています。
動物性脂肪と大腸癌との関わりは、小腸で吸収された脂肪は肝臓でコレステロールを経て胆汁酸になりこれが胆嚢に貯えられます。
また、脂肪を沢山摂取されるとそれだけ胆汁が多く十二指腸に放出されますので、相乗的に胆汁酸の量は増量されていきます。
大腸癌の多いアメリカ人の便中胆汁酸量は、日本人の3倍あると言うデータもあります。
この胆汁酸が大腸の中の悪玉大腸菌(腐敗菌)により二次胆汁酸になるのですが、これが大腸癌を促進する作用があるのです。
癌の中では早期に見つかると存命率が非常に高く、検診の効果もあり、最も予防しやすい癌とも言えるのですが、肛門からの検査に対する抵抗や症状が痔に似ている事がネックになって発見が遅れるケースがあります。