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筋肉の運動単位(モーターユニット)

2021.02.06 | Category: 筋肉

筋収縮に関わる運動神経の細胞体は脊髄にあり、脊髄腹側から出た軸索が目的の筋肉まで達しています。

神経の軸索は途中で幾度か分岐しながら、数十から数千の筋線維には神経一筋接合部という終板で筋肉と接合しています。

1つの神経細胞とそれが支配する筋線維の集団を、運動単位(モーターユニット)といいます。神経も筋肉も「全か無か」「Oか1か」のデジタル型の法則に従うので、運動単位も全体として「全か無か」の作用しかできず、個々の筋線維レベルでは微妙な調節ができません。

これに対して心筋や平滑筋では自律神経の働きによって、個々の筋細胞が無段階に変化するというアナログ的な制御を受けています。

しかし骨格筋は、実際には重いものを持ち上げられる一方で、軽くて壊れやすいものをつまむといった、微妙でなめらかな動きも行うことができます。

1つの筋は数百から数干の様々な大きさの運動単位からなり、運動単位の種類も速筋線維から成るものや遅筋線維から成るもの等の種類があります。

運動単位の活動電位の発し方も低頻度(周波数が少)から高頻度(周波数が多)まで様々な組み合わせがあって、ひとつの運動を行った結果をフィードバックして中枢で巧みにコントロールしています。

運動単位のレベルでいえば、骨格筋は全身が一律な神経支配を受けているのではなく、運動単位の大きさや数が、筋力調節の「大まかさ」「細やかさ」を決定します。

運動単位は長期に渡る学習の結果、一般に上肢の筋で小さく、下肢の筋で大きくなります。

例えば掌にある虫様筋では1個の運動神経は約90本程度の筋線維支配で繊細な動きを行いますが、下腿三頭筋では2000本を支配して大出力を発揮するのです。


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