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速筋と遅筋

2021.02.05 | Category: 筋肉

筋線維には、遅筋線維(タイプⅠ)と速筋線維(タイプⅡ a一遅筋と速筋の混合型、タイプⅡb)があります。

持久力は赤筋、瞬発力は白筋と筋肉の色でいうこともあります。筋肉に持久力をつけたいのなら遅筋線維を鍛え、瞬発力をつけたいのなら速筋を鍛える必要があります。

運動の速度の違いは筋肉のエンジンにあたるミオシンの遺伝的な違いによるものですが、速筋は遅筋の約2倍の速度があります。元々筋肉の性質は遺伝的な因子が強く影響します。

アメリカの研究では一流の短距離ランナーの速筋は7割を超え、逆にマラソンランナーは遅筋が7割を占めているというデータがあります。

遅筋と速筋の割合は、生れつき決まっていますが、トレーニングによってある程度までは変化させる事ができます。

運動負荷の強度と、遅筋・速筋との関係を考えると、運動強度が最大の40%程度の負荷では、遅筋線維が活動して、運動強度が75%以上になると、速筋線維の活動が始まるといわれています。

つまり、速筋線維を鍛えるには、ダンベル等の強い負荷をかけた運動をすればよいし、遅筋を鍛えるのなら、ジョギング等の負荷をあまりかけない運動が望ましいといえます。

動物の実験等では遅筋を鍛える持続的な運動をすると、1ヶ月位で速筋の遅筋化が起こる事が分かってきました。また、予備細胞であるサテライト細胞も遅筋になる事が明らかになっています。

しかし、遅筋は速筋化しません。ところが不思議なことに長期間宇宙飛行で無重力状態にいたり、骨折でギプスで固定した部位の筋肉は、どちらも萎縮は起こるのですが速筋が増えるというデータがあります。

つまり、筋肉の活動が極めて低下した場合に限り速筋が増えるのです。

その事から、速筋を鍛えるのなら、短い時間に負荷の強いトレーニングを集中的にやって、それ以外の時間は筋肉の負荷を取り除くようにする、つまりゴロゴロ寝ているのが一番ということになります。

この方法は瞬発力が重要な伝統的な相撲の世界ではずっと以前から採りいれられています。


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