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STDとしての肝炎

2020.12.10 | Category: STD

STDとしての肝炎肝炎ウイルスにはA型からG型まであり、現在確実にSTDと認められているのはB型です。

しかし最近ではA、C型もSTDの面があると考えられる様になりました。

A型肝炎ウイルスは一般的に感染者の糞便中のウイルスが経口感染するものですが、男性同性愛者では性行為の一つとして感染するためSTDとみなされています。

ただしA型肝炎は慢性化する事はありませんし、普通は3ヶ月位で治癒します。劇症化する事は余りありません。B型肝炎は血液を介して感染します。

輸血や注射器等医療行為等が感染経路となる事が最も多い物ですが、B型急性肝炎の5~30%は性行為によると言われます。

多数者と性行為を持つ機会が多い性風俗業の女性ではそうで無い女性と比べて高率で抗体が陽性であるという調査結果があります。B型の急性肝炎も自然治癒するのですが、1~2%が劇症化したり、またはキャリアとなって感染源となります。

感染は性行為の相手がB型肝炎ウイルスのキャリアである場合に感染します。入浴やプール、整髪、食器等に特別配慮する必要はありませんが、カミソリ、歯ブラシ、タオルの共用は避けます。

もちろん傷の手当時等他人に血液が触れ無い様にする事が必要です。

C型の急性肝炎では劇症化はまれですがキャリアになる率が高く、急性から60~80%が慢性へ移行します。

やはり血液を介しての医療行為による感染が主で、夫婦間感染の確率も低いとはいえ、性風俗衆の女性のキャリア率が高いなどの疫学的調査によってSTDと考えられるものです。予防法はB型肝炎ウイルスと同様です。


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