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淋病の年次推移

2020.12.09 | Category: STD

淋病による尿道炎は依然として男性では多い疾患です。感染機会から約1週間の潜伏期間の後、急性尿道炎を発症します。

外尿道口より膿を排泄して、痛みを伴い、尿道口の所に発赤が出て来ます。

また更に上行性に侵入して行くと、後部尿道炎、精巣上体炎、前立腺炎等も発症する事があります。女性では子宮頚炎や上行感染により骨盤内感染症を起す事があります。

従来淋菌感染症にはペニシリン系薬が効いたのですが、耐性菌の増加で、1980年代にはより強力な抗菌力を持つニューキノロン系薬が広く使われていました。

しかし最近はそれにも耐性を持つ淋菌が表れた事が問題化しています。

この淋病の年次推移を見ると1980~1484年にかけて増加した淋病は1984年をピークに年々減少しています。この減少していた期間は丁度エイズが社会問題になり、マスコミも大きく取り上げ、さらにエイズ予防法が出来た時期にほぽ一致しています。

つまりエイズキャンペーンによる副次的効果と言えるでしょう。ところが、1995年よりまた増加の兆しが出て来たのです。

それはエイズに対する人々の関心が薄れた事や、性交以外の性風俗業がまた盛んになって来た事が挙げられます。

またエイズに比べ淋病は簡単に治る病気だという安易さがあり、自己判断による服薬中断などで薬剤耐性の菌を増加させた事も原因のーつと推定されています。


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