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アレルギーと肥満細胞

2020.12.01 | Category: アレルギー

アレルギーは皮膚や粘膜に出やすいのですが、それは肥満細胞がアレルギー反応に深く関与しているからです。

肥満細胞と言っても脂肪を貯め込んでいる白色細胞や褐色細胞ではありません。細胞質の部分が大きく多くの化学物質の顆粒を含んでいる為肥満して見える為にこの名前があります。

この肥満細胞はlgE受容体を持つ細胞の1つで、特に気道や皮膚等の身体の表面に近い部分に多数存在しています。

異物が侵入すると免疫系のB細胞が放出したlgE抗体が肥満細胞の受容体と結合すると、そこにブリッジ構造をつくります。

このブリッジ構造によって細胞内に変化が起こり、アレルギー反応を起す多くの化学伝達物質が放出されます。

今まではこの化学物質の中でアレルギーを引き起こす犯人はヒスタミンと考えられていました。

最近の研究で更に新しい共犯者の物質が関係している事が明らかになっています。

それは肥満細胞にあるアラキドン酸から生成されたロイコトリエン、プロスタグランジン、トロンボキサン等です。

これらの化学物質も炎症を引き起こす事は分かっているのですが、その具体的な作用については十分に明らかにされていません。

また、アレルギー反応を引き起こすこれらの化学物質をケミカルメディエーターと言いますが、肥満細胞の他に、白血球の中の顆粒球(特に好酸球と好塩基球)にも存在しています。

しかし、肥満細胞の存在していない所ではアレルギーは発症しないと言われている様に、アレルギーの中心的な役割を果たしているのは肥満細胞である事は間違いないところです。


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