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ストレスが体に与える影響

2020.03.13 | Category: 腰痛

ストレスと腰痛に関して興味深い本があります。

夏樹静子「椅子がこわい」文芸春秋、定価(1238+税)です。かなり前に私が読んだ本で作家の夏樹静子さんも既に亡くなられています。

図書館にも置いてある本だと思いますので、読みやすい内容なので腰痛の方は一読されてはいかがでしょうか。

この本の帯付にある「私は、1999年1月から約3年間原因不明の激しい腰痛とそれに伴う奇怪とさえ感じるほどの異様な症状や障害に悩まされた。考えられる限りの医療―最後に、どうしても最後まで信じられなかった唯一の正しい改善法に辿りつくまでーを試みたが、何ひとつ効かなく、症状はジリジリと不気味に悪化した。私は心身共に苦しみぬき、疲れ果て、不治の恐怖に脅かされて、時にはしを頭に浮かべた」(本文より)

この本は売れっ子作家が突然腰痛を発して病院に行って診察を受けたお話しである。

経済的にも裕福な方である事から全国の名医と言われる病院を訪ね歩いた放浪記で、怖いのはリアリティを出すためにすべて実名を挙げている事です。

あそこに行って改善しなかった、ここでは病名が違って言われた等と本の中で書き記した内容なので、当時はある意味凄い本が出たと話題になりました。

ある朝から突然腰痛が起こり、着替えをするのも辛い状態が始まり、腰から背中にかけて鉄の甲羅を張り付けた感覚に襲われた。

どんな鎮痛剤、座薬、注射も効かない、椅子に座る事が痛くてできない。いくらか正座の姿勢の方がまだましだがそれも5分ほどで我慢ができなくなる。

立っていた方がまだ楽だがそれも10分ほどで痛みでしゃがみ込みたくなる。

腰かけられない、立てない、で何もできない状態で外出、仕事、喫茶店、映画等なにもできないでいました。

不思議な事に痛みには波があり、比較的楽な状態の日もあれば、まったく痛みの為に何もできない日もあるのでした。

その前までは自分でも呆れるほど丈夫だっと書き記しています。ギックリ腰なども一度もやった事のない仕事人間だったのです。

その前の予兆も耳鳴りが始まる耳鼻科、内科、そして最後は慈恵医科大学脳神経外科鈴木敬教授から心配ないから耳鳴りを気にしないで下さいと説明をうける。

次に眼精疲労は眼科医にかかり近所の評判の良い眼科医、九州大学眼科で眼精疲労の診断、東京医科歯科大学付属病院眼科助教授坪田一男先生はドライアイの診断の目薬をもらった事があった。

腰痛になりホームドクターの吉永拓国先生に受診そのうち改善するでしょうといわれるが痛みが強くなる。

腰痛の為に近所でも評判の高い福岡整形外科副院長徳永純一先生を受診して骨粗鬆症の兆しはあるが、腰痛問題ないとの診断。痛みはまったく改善しない。

福岡大学体育学部助教授の先生の置き鍼を受けるも効果なかった。

その後東京の有名な鍼灸師鳥倉鶴久にかかり、圧痛が無いの事を先生が不思議がり、診察を受けるも変わらない。

内臓からきているかもと九州大学整形外科で精密検査を行い杉岡洋一教授から筋力が弱まっている事を説明をうける、そこから産婦人科の中野仁雄教授を紹介され診断の結果問題無しとなる。

ヒーリングではと手かざしが効果があると聞いてして高塚光さんに診察を受けるが効果が無い。

愛宕神社で護摩焚きを受ける。

紹介で光安整形外科を受診安岡知夫先生を受診九州大学出身とまで書き記す。ここでも筋力低下の診断。

プールでの運動は以前からしていたが、これらを鑑みてプールに熱心に通う様になる。

一発で遠藤周作夫人の腰痛を改善したという有名な気功師遠藤睦雄先生に気功を受けるも気すら感じる事ができない。

更に中川式気功の創始者中川雅仁氏に気功を受けるが変わらない。

私自身(夏樹静子)が非科学的な事に否定的な見解なので効果を感じる事ができなかったのかもしれないと書かれている。

中川雅仁氏の紹介の博多駅裏、足裏マッサージに通うも変わらない。

定期的に受診している光安整形外科を受診安岡知夫先生が自律神経失調症からきているのでは無いかと言い出す。

ホームドクターの良永拓国医師からも同一意見を言われる。

荻窪の東京衛生病院アメリカ人カイロプラクティックでも故障は無いと言われる。

カメラマンに腰痛が多いので名人を知っているとカメラマンの紹介の赤坂にある中国鍼にいくも変わらなかった。

気功と鍼をする劉勇先生は名医とのふれこみが凄い先生であったが九州まで来て頂いたが変わらなかった。

精神安定剤を服用するようになる。

作家の白石一郎さんがかかっているマッサージ師の施術を受けるが変わらない。

九州大学整形外科精神科の田代信維教授からうつ病の薬を出される。

川蔦整形外科病院に入院ストレス性腰痛と診断

東京の東大和市にある堀江院で堀江高志氏にカイロプラクティックを受けるが良くならない、更に堀江高志氏が霊が付いていると言われて、本格的にその霊のご供養をするが良くならない。

知人の村山妙映さんが霊が付いていると言われて塔婆を作りお経をあげたがまったく変わらない。

福岡の整体研究所をかかるが変わらない。

東京女子医科大学東洋医学研究所で代田文彦先生の診察を受けるも変わらない。

新宿の検診センターで平木英人医師から硬膜ブロックを受けるが痛みが変わらない
平木医師から典型的な心身症と言われる。

平木英人先生から心理療法の森田療法を勧められる。

南熱海温泉病院に入院絶食療法、カウンセリング、心理テストを受ける
痛みに変化が無いので騙されたと反抗的な態度をとる。

そこで意識の変革に気づきようやく痛みが取れ退院したという事です。

この本は改善した形で出版されてますが、一時的には本人もそう思ったのでしょうが実はその後も依然として継続して予後不良のまま人生を終えられています。


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