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感染予防機序

2020.01.14 | Category: 感染症

病原菌と我う防衛機構には抗原抗体反応を司る免疫系が備わっています。敵性免疫としてはB細胞と呼ばれるリンバ球が作るグロプリン抗体があり、血液や粘液等の体液に含まれています。また細胞性免疫のTリンパ球は、病原体に侵された宿主細胞を殺すキラーT細胞と病原体を取り込むマクロファージ(白血球)を刺敵して病原体を処理出来る物質を作るTリンバ球があります。また白血球の中の好中球はマクロファージと並んで病原菌を食べて消化してしまう働きがあり、この能力を持っている白血球を食細胞と呼んでいます。この食細胞が減少すると日和見感染症に罹りやすく、癌の化学療法では異常に減少する為に感染症に罹りやすくなるのです。これ以外にもう一つ感染症に対して重要な働きをするのが補体という一群の蛋白質です。この補体は血清中にあり、抗体と異なって、初めから血液中に一定の量だけ含まれています。病原菌が体内に侵入すると、その表面に付着して病原菌を破壊したり、白血球に食べられ易くする働きがあります。補体は免疫の無い新参の病原菌に対応する事が出来るので、決して名のような補助的な物ではありません。ただ、問題は侵入者を手あたり次第壊してしまう為、病原大腸菌の場合等は毒素(例えばエンドトキシン)が溶け出し生命を脅かしてしまう両刃の剣でもあります。


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