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性感染症

2020.01.12 | Category: 感染症

HIVの薬はまだ先になりそうで、現在は抗ウイルス剤の二剤三剤での使用によるウイルスとの共存での延命方法でしかありません。性感染症はHIVだけでは無く多くの感染症があります。性感染症は考えられている以上に一般的な感染症と言えます。女性の半数が一度は性感染症に感染すると言われ、世界では毎年3億人もの人が新たに梅毒、淋病、クラジミア感染症、膣トリコモナス症に感染していると推定されます。女性が感染した場合特別な症状が現れない事も多く、そのままに放っておけば骨盤炎症性曳患や慢性的な骨盤の疼痛、子宮外妊娠などの合併症を起こす可能性があります。幸いこれらの感染症には有効な抗生物質があり、何よりコンドームで予防出来るので制御しやすいSTDと言えるでしょう。ところが、ヒトパビローマウイルスHPVの感染症についてはオーラルセックスからが原因と考えられていてペニスの基部や陰嚢や陰唇等からも感染するため、コンドームによる予防が期待出来ません。この感染症が厄介なのは自覚症状がほとんど無く,性的活動をしている男女の半数以上が感染しているにも関わらず、感染に気付きにくい事です。1割程度の人にイボが出来て感染を知る事が出来ますが、改善法がある分けではありません。このヒトパピローマウイルスに感染すると、1年以内に子宮頸部の前癌化が起こると言われ、長期に渡ると外陰部、膣、肛門付近にも癌を発生させる可能性が高くなります。HPVワクチンは米国メルク社から2006年移行開発承認されていはいますがHIVにも匹敵する恐ろしく最も身近な感染症と言えるでしょう。


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