- Blog記事一覧 -内臓脂肪は分泌障害
太っているからと言って必ずしも動脈硬化に成るとは限りません。動脈硬化を起こしやすい家族性高コレステロール血症の人は痩せた人が多いと言う事が知られています。ただ太った人は高血圧や糖尿病になり易く、動脈硬化の危険因子を持っていると言えます。最近では太り方が問題で、これには皮下脂肪型と内臓脂肪型とがあります。皮下脂肪型は女性に多く、内臓脂肪型は男性に多いのが特徴で、動脈硬化症に問題があると言われているのが内蔵型です。内蔵肥満とは腸間膜脂肪による肥満で、皮下脂肪に比べて代謝活性が高く、過栄養時に脂肪合成が速やか起こり、また運動時や低栄養時には脂肪分解がより活発に起こる事が分かっています。内臆脂肪が多い人では脂肪合成と分解が活発に行われて、その結果内蔵脂肪の容量に応じて遊離脂肪酸が多量に放出されます。その放出された遊離脂肪酸は、門脈を介して肝臓へ流入し、トリグリセリドに再合成され、コレステロールが 高くなり高脂血症の発症に関連します。また脂肪組織は単なるエネルギーの貯蔵組織だけで無く、特に内臓脂肪からは血栓形成促進因子、サイトカインやその増殖因子などの生理活性物質が分泌されます。これをアディポサイトカインと呼び、分秘臓器としての脂肪組織が動脈硬化に関連しています。