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小児の動脈硬化

2019.12.14 | Category: 動脈硬化

最近、小児の高脂血症,動脈硬化性病変が見られる様になりました。日本人は元来、動脈硬化の極めて 少ない人種として注目を集めていたので、米を主食に味噌汁、魚や野菜の煮物、おひたしといった、動物性脂肪が少なく植物性繊維が多い食事は欧米で理想とされました。心筋梗塞による死亡率が日本の5倍以上あった米国は、1960年代より子供を中心に動物性脂肪とコレステロールの摂取を減らすという食生活の改善運動を行い、1990年までに米国民の血清コレステロール値は低下の一途 をたどり、心筋梗塞の死亡率も下がりつつあります。日本人は食事療法 を特別にしなくても良いので無いかと言う意見がありますが、それは成人の場合です。血清総コレステロール値を年代別に比較すると、おおむね25歳上はなる程米国人に比べるとコレステロール値は低いのですが、子供では日本人の方が米国人よりずっと高いのです。これは特に最近の食生活のアメリカナイズによるものと考えられます。ピザ、ハンバーガー、フライドチキンといった動物性脂肪の多いファーストフードが好まれて、高コレステロール血症が増え始めました。ほほ時を同じくして外で遊ぶ事が少なくなり、全体に運動量が減っています。子供時代の食習慣がそのまま青年期にも続くのは動物性脂肪の多い食事で味覚が慣れてしまうと、それらを止めるのが極めて苦痛になるからです。子供の内に、植物性繊維が多く動物性脂肪に偏らない食習慣を付ける事が大切です。


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