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バビンスキー反射と赤ん坊

2019.11.24 | Category: 下肢

最も敏感な病的反射であるバピンスキ一反射は、足の裏の外縁部をこすると足の親指が背屈して、他の指は扇上に幾分開きながら低屈する現象です。脊髄損傷などの上行性運動ニューロンの疾患や脳性麻痺や脳血管障害等で起こります。この反射は生後半年位までの乳児期に見られますが、これは新生児の三ヶ月頃まで見られる手の握り反射と同様に脳の前頭葉の発達によって反射が抑制される為に消えて行きます。この反射はサルでは乳幼児期を過ぎても見られる事から、手と同様に足もつかむ行為に必要な樹上生活の名残だと言う人類学者もいます。直立二足歩行によって手足の機能分化が起こり、手は握る、つかむ事が主体になり、人は体重を支え二足歩行が専門になった為に足趾の機能が退化したのです。しかし、足趾の動作は訓練すれば手とほとんど同様の働きをする事が出来ます。手に障害を持った方の中には、健常者の手先以上に足先を器用に使う事が出来る人もいます。更に、とっさの時に役立つ反射という経路も日常生活の中では必要はありませんが,これも訓練次第で再現すると言う報告もあります。毎日足の裏をこするようにすると、この反射機能は戻り親指は背屈する様になるそうです。


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