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高尿酸血症から痛風

2021.06.13 | Category: 生活習慣病

血清尿酸値が7.0㎎/dlを超えるものを高尿酸血症といいます。

最近、高尿酸血症の患者が激増していて、いまや成人男性の5人に1人は罹っている生活習慣病なのです。

更に患者数の増加にとどまらず、発症年齢の低年齢化も進んでいます。尿酸はプリン体から作られますが、このプリン体は体内の核酸やアデノシン-3-リン酸(ATP)というエネルギー変換系で作られています。

もちろん、プリン体は摂取する食べ物からも吸収されますが、体内で作られる尿酸の中で食物中のプリン体由来はごく一部である事が分かり、高尿酸血症への影響は以前よりも言われなくなっています。

この高尿酸血症が起こる主な原因はプリン体生合成系の異常等の遺伝的素因もありますが、やはり暴飲暴食、肥満、激しい運動、ストレス等の生活習慣です。

また、高尿酸血症から痛風まで行ってしまう患者の多くは一定の性格的傾向がある事が分かってきました。つまり、常に時間的焦燥感を持ちながら精力的に活動する、そして心筋梗塞にもなりやすいタイプAの人達です。

今は血中の尿酸値はある程度、薬で抑えることができるようになりましたが、生活習慣を変えなければ根本的にはよくなりません。血清尿酸値が9.0mg/d1以上になると90%以上の人に痛風発作が起こります。

痛風発作は足の親指の付け根の関節に最も起こりますが、関節であれば身体のどこにでもあらわれます。

これは尿酸が関節内で尿酸塩になり沈着して、次第に結晶化してしまい、白血球がその結晶を異物として貪食する為に激痛を伴う炎症が起こるのです。

7~10日ほどで自然によくなることが多いのですが、放置していると、関節炎が重症化したり、腎臓の機能が低下してしまいます。

また、痛風にも他の生活習慣病と同じ様に脳血管系のリスクもある事が指摘されています。

痛風専門医が薦める改善法は飲酒の制限、総カロリーの制限、水分の充分な摂取が最も大切で、激しい運動の制限、ストレス緩和等もあげています


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