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隠れ脳梗塞に用心

2021.06.12 | Category:

最近はMRIの検査を受ける人が増え、その結果初期症状がない無症候性脳梗塞がかなりある事が分かってきました。

梗塞の大きさが数ミリ程度の微小な梗塞が出現して段階的に梗塞が増え、本格的な梗塞になりやすい事から隠れ脳梗塞、脳梗塞予備軍ともいわれています。

梗塞を起こす原因にはラクナ梗塞、アテローム梗塞、心原性梗塞があります。

この無症候性脳梗塞の8割がラクナ梗塞(微小な脳梗塞)で、脳梗塞の40%を占めると考えられています。

ラクナ脳梗塞は高血圧等によって脳の深部の極めて細い血管(穿通枝)が詰まり、小さな梗塞が起こります。

特にラクナ梗塞は大脳基底核の内包の周囲、被殻、視床等運動に関する神経細胞付近に発生する事が多いのです。

実際40代で4人に1人、50代で3人に1人、60代2人に1人、70代でほぼ全員といわれ、脳の老化現象といえます。

症状がゆっくり出現し、意識は無くなる事はなく、朝起きた時に手足の痺れ、感覚が鈍くなる、食事中に箸を落とす、ロレツが回りにくい、めまいがする等段階的に悪化し、脳血管性痴呆の最大の原因とも言われています。

専門の医師は、脳の障害や老化等の状態変化は第2の脳といわれる手の運動に現われやすいので、手を使った動作や簡単な体操などで自己診断し、疑わしければ脳ドック検査を受ける事を勧めています。

例えば「両手合わせテスト」で(1)左の手のひらを上に向け、右の手のひらを重ねる(2)右手を反転させて甲を乗せる(3)この動作を繰り返し、左右を逆にしてもう一度試みる。

単純な動作ですが、脳に障害があるとスムーズに出来ません。

また、コップの水を移し替えたり、箸で大豆と豆腐を交互につまむ等、手の器用さや集中力が要求されますが、震えの為に水をこぼしたり、箸の力の加減ができない様だと、隠れ脳梗塞の可能性があります。

隠れ脳梗塞は生活習慣の改善が鍵を握ります。健康な身体が隠れ脳梗塞を防ぎます。


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