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ミルキングアクションとスニーカー

2019.12.01 | Category: 下肢

以前、NHKの「ためしてガツテン」という番組で、「よい靴・悪い靴」というテーマで靴が健康に与える影響について、実験した事がありました。2人の内1人にスニーカー、もう1人に通勤や外出に使う靴を履かせ、それぞれ長時間歩いた後、足のむくみ具合を調べたのです。この結果、スニーカーに比べ、普通の靴の方が足がむくんで体積が増えている事が分かりました。長時間立って活動を続けてると、重力に逆らって下半身の血液を全て心臓の力だけで戻す事が出来なくなります。しかし体内を循環する血液を運ぶ力は心臓以外にもう一つあります。これが「第二の心臓」と言われる下半身の筋肉によって、血管を収縮させ、牛の乳搾り(ミルキング)の様に静脈の血管を絞り上げ、その力で血液を心臓へ押し上げるのです。脚の筋肉と血管の弾力性が高い人ほどこのミルキング・アクションは旺盛ですが、脚が疲労するとその機能も次第に落ちていきます。人間の足部は26個の骨がアーチ状に盛り上がって作られています。滑らかに歩くには、この足の甲のアーチがたわみ、復元を繰り返す事が必要で、疲労するとアーチが崩れ、土踏まずの面積が狭くなって来ます。スニーカーやウォーキング用の靴は、足の裏全体で地面をしっかりとつかみ、拇指球で確実に地面を蹴る事が出来ます。前述の実験で、スニーカーは長時間歩いても足の甲のアーチが崩れにくく疲労が少ない為に、ミルキング・アクションの働きが低下せず、むくみもそれだけ少なかったのです。


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