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怒り

2019.11.15 | Category: 感情

強い怒りは冷静な判断を失わせ、暴力に向かわせるなど喜ばしい感情ではありません。しかしこの怒りも、実は動物が環境に適応する為の必要な情報処理と言えます。自己が他者から脅かされたりした時、冷静に状況判断等している余裕はありません。頭を巡らせてアレコレ戦術を巡らす手間をかけたりせずに、とっさに行動を起こす事が必要です。つまりある危機を回避する為には自動的に行動に移す事が必要で、その様な場合を情報処理のシステムとして怒りという感情を利用すると言えます。怒りの感情に囚われると体は興奮状態になって、血圧が上がり心拍や呼吸が増えます。つまり自動的に戦闘スタンバイの状態になれる訳です。ある刺激からある行動への自動処理は自転車に乗るのと同じで、慣れればペダルやハンドルを意識しなくても自動的に身体が動いてく処理は認識の省エネとも言えるでしょう。一連の行動の引き金に怒りを利用しているのだと考える事が出来るのです。ただ、この処理の仕方は速やかに行われる代わりに、一旦始まると途中で修正したり、中止するという事は難しいので、野生の生活の中では必須であったシステムも、社会生活の中では理不尽な感情として制御しなければならなくなっている訳です。


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