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感情表出と内臓

2019.11.16 | Category: 感情

感情が最も表れるのが顔です。そこで顔の表情を図案化したフェイススケールを使ってうつ病の進行状況や慢性関節リウマチの患者の痛みや精神的な気分の判定、小児科領域では子供の痛みの程度を判断しています。顔は感情が表に出た正に「表情」である訳ですが、しかしなぜ人は顔の表情に感情の差異を感じるのでしょうか。感情の脳の中枢は辺縁系が中心ですが、動物の脳ではこの辺縁系が多くの部分を占めています。この辺縁系は内臓脳と言っている学者もいる様に内蔵系の知覚と深く結ぴついています。更にさかのぼれば、太古の生物は体壁と内臓が一体となって辺縁系が支配していました。ヒトの表情筋は元々腸管系の鰓腸(さいちよう)branchial intestineであり内臓が脱口して顔を作り上げ進化して来たのです。その表情の差異を見分ける事で相手の腹の内の様々なシグナルを見極める事が生命活動に絶対に必要だったのです。それを逆手にとって表情を作り変えシグナルを誇張する技術が化粧です。また、無表情やマスクが不気味に感じるのも、相手の腹の内が読み取れない為に本能的な不安を感じてしまうからです。


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